第27話 ページ28
.
『え？』
何とも間抜けで素っ頓狂な声が放り出された
その原因の男。仕事中だと云うのに狼狽してその人を____完璧知り合いなその男を凝視してしまった。
「おや中也君」
「首領」
ほら今お客さん鮮明に中也君って……え、──首領？
我が耳を疑うべきなのか否か、今中原さん、首領って云った？
…この人がマフィアの頂点！？
「会合に遅れてしまわれます」
「もうちょっとだけ！」
もうちょっとだけ！？
突然の事実に冷や汗をかいて、頭からは血の気が引いた。私が失敗したらこの店潰れるんじゃないだろうか。
そして明らかに中原さんは私と目を合わせない。
と思ったらバチり、と、ばっちりその蒼眼と打つかってしまって
一瞬だと思ったのに
『……、な』
何でずっと見詰めてくるの
今朝の事もあってか火照る頬。
何故か数秒間も見詰めてくるそれに負けて逸らしたのは私の方。ムカつく。
が、次に焦り出したのは中原さんの方で
「中也君」
「はい？」
「君の婚約者君はどれが好みかね？」
「は、い！？」
『婚約者？』
思わずピリッとした私の声。
明らかに目の泳ぐ中原さんに視線を送ってみても当人は素知らぬ顔で笑っている
初耳だなあそれ。
『へえ、お客さん、婚約者が居るんですね』
「え"、や、Aン"」
すこーしだけ挑発的に借問してあげると、何故か自ら墓穴を掘りだして私の名前をポロリと漏らす中原さん。
「居ねェよンなもん、」
「え？だって中也君家を買……」
「あああ首領、そうですが違うんですよ」
ボソリと私に向けられた発言は見事マフィアの首領さんに届いてしまって
はてなを浮かべる中年男性と慌てて弁解する中原さん、それに少し角がたった私とケーキを眺める女の子。
いい気味だ、なんて思っていたのも束の間、扉の外を見遣れば其処には_____
『え、芥川さん？』
昨日の彼が。
「首領、取引相手がお見えに成られました」
相変わらず口に手を当て入ってきた黒い人。
そして私に気づくと忽ち辺りを見渡した
堪らずマフィアの溜まり場かと見紛う面子。
「ああ芥川君、わざわざ悪いねえ」
なのににこにこして華やかな空気なのは何故だろう、この人本当に首領なのだろうか
と、疑問に思った時だった
「───Aさんと、……中原さん？」
芥川さんが背後から声をかけた。ら、目の前の帽子があからさまに動揺を見せそして
「……逃げンぞ、A」
『へ』
私の手を掴んで思いっきり引っ張った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3377人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (
レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか？設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか？なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ！！！ (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
