第15話 ページ16
______いつも通り車を走らせていたら、何故か家に着いちまって居た。
『中原サンお風呂場が見つからな』
「ああ!?突き当たりを!右!」
……何故だ?
はーい、と気の抜けた返事を聞いて____何で立ち上がったのか____どかっと、息を吐きながら豪快にソファに座り込んだ。
「はあ」
普通会って二日目の男の家に泊まるか!?
そんな戸惑いを抱えながら頭も抱える。
取り敢えず仕事帰りで汗ばんでるのはどうかと思って風呂場へ突っ込んだが_____
『中原サ』
「だから突き当た」
『……いや、タオルって』
顔だけ向ければ、角っちょから顔を出し俺の服を握るA。
「あー……ッたく、」
目元に手を宛てがい立ち上がった。
風呂場へ向けてAの背中を押し強制送還。
戸惑われても無言で押す。押す。
『え?ちょ、中____』
「は や く は い れ」
その顔にバスタオルを押し付け、同時に脱衣所へ無理やり押し込んだ。扉を勢いで閉める。
平気か……之からの俺の家建て直しライフ。
「仕事もプライベートも休息無しかよ…」
一人でに呟いても虚しいかな。
未だ車に、上司に買わされた花束が神々しく残っているのを、俺は忘れる事が出来ない。
…気を取り直して今日は葡萄酒でも飲むか。
そう閃いた時には一切
疲れなど、もう感じちゃ居なかった。
既に俺は口笛を吹き、心を踊らせる
「はは、驚いた顔ひとつでもさせてやるか」
その場所に立った時、俺は自然と口角を上げていた。
.
不味いぞ_______。
私はシャワーに打たれながらハッと気づく。
迂闊に『中原サン宅で善いんじゃね?』と申してしまったが、之は不味い
シャンプーにボディーソープ。
洋服にバスタオル。
全部、中原サンの香りじゃない_____?
『……やばい、これは、』
_______また太宰さんに言及される。
キュッ、と子気味の善い音と共にシャワーを止めて、鏡を見る。
“「ーーー昨日、何か遭った?」”
……不味いぞ。
思わずも唾を飲み、嫌でもその顔が目に浮かんだ。
何かを覗き込むような黒く真剣な瞳。
『いやいやいやいや』
頭を左右に振って分散。悪霊退散。
さっさと風呂から出てしまおうと、脱衣所にてバスタオルを掴む____。
いや待てよ、
『……ん?』
何か結論に達したと思った瞬間だった。
手にしたバスタオルはそのままで、私は鼻だけを動かし辺りの空気を吸った
広がったのは
鼻腔を支配し空腹感を刺激する、芳醇な香りだった。
3377人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか?設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか?なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ!!! (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ