第11話 ページ12
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面白い玩具を見つけた__。
そんなAの笑顔に支配され、
仕事帰りの突然の買い物はすんなりと幕を閉じた。
「本当に之だけか?
悪魔みてェに諧謔を弄してたのによ」
『誰が悪魔ですか?
私の夢をワンパンで塵にしたのは』
一足のパンプスと大人びたワンセット。
21歳被害者と、22歳加害者(マフィア幹部)。
私は買い物袋を手にし
横浜某所の高級ホテル入口に立っていた。
本当に横浜で一番高いホテルへ泊まるらしい。私。
入口には深夜にも関わらず体格のいい警備が二人並び、入口にはドアマンが立っている。
冗談でも云わないべきだなあこれは…。
「A」
『はい?』
立ち尽くして居るとふと名前を呼ばれたので振り返る。
ちょいちょい、と手招き。
「俺はこれ以上入れねェから」と云われ
『わっ、』
「之は請合みてェなもんだ」
頭に、中原サンが先程まで被っていた帽子をぐりぐりと押し付けられる。
一気に視界が影で覆われた。
「俺がちゃんと手前を迎えに来るって証拠だよ」
その帽子が保証する。と、中原サンは云う
“吹っ飛んだ全てを弁償する”という口約束には、警察も他人も一切関わらない、二人だけの約束。
破ろうと思えば簡単に逃げて破れてしまうもの
なのにそれを、
『……中原サンって、真面目だね、莫迦だね』
「あ"?何だッて?……まァ善い。兎に角明日、仕事場まで迎えに行くから」
待ってろよ、と
「ご予約されたお客様でしょうか?」
すると横から、オーナーらしき人が私達に話かけた。
ひっ、とその素晴らしき七三分けに声が出そうになる。
どうも別世界。私には無理だ。そう思いながら口を開く。コンビニ袋を提げて入る場所じゃないよ此処。
『ああ、えっと…中原で予約した』
「ふはッ、違ェよ。
予約したのは
「
中原サンにくすくすと笑われ腹が立つ。
いいんだね?この
案内人の背中でキッと後ろを振り返る。目線で訴え、聞こえるはずのないその人に向かって小さく言った。
『覚えとけよ』
グワシっと帽子を握ってやると、後方で中原サンが気づいた様にこっちを見た。
似 合 っ て る
間違いなくそう口が動いて。
『……違う、そうじゃない!!』
「ほほほ」
思わずツッコミを放った私に、案内人さんが楽しそうに笑う。ああ、聞かれた。私が莫迦みたいじゃん!?
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レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか?設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか?なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ!!! (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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