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第11話 ページ11

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顎に触れていた骨張った指に解放され、呆気を取られた私の頭はガクリと落ちた。

“貴方の罪はぼくの興味を引いてしまった事です”。

その言葉だけが、頭の中で響いていて。


「ゴーゴリさん、彼女を空き部屋へ」

「う〜ん!!私が先に目を付けたのに狡いよドス君!!」

「貴方は楽しめるなら誰でもいいのでしょう?」

「アハハ!!その通りだ!!!流石ドス君!!」


勝手に進む話に置いてけぼりの私。
額にはじっとりとした汗。

彼の興味を引いてしまった私。だとしたら、今の状況が罰とでも言うのだろうか。如何して私が罰を受ける側なのか。

何も理解が出来ない。

ただ、彼が興味を無くせば。否、私が興味を無くさせる様に仕向けば、彼は解放してくれるのではないか。

それだけには確信が持てる。
彼は私の藻掻く姿が見たいと言っていた。
反応しなければ、いいや、寧ろさっさと苦しんでやろうか?

……判らない。その為には先ず彼、フョードル・ドストエフスキーについて知らないと───。


「随分と熱烈な目をしていますね」

『……?』

「この部屋がいいですか」


この部屋?
辺りを見渡す。暗がりの中には、先程この人が座っていた机に椅子、それにあまり使われていないであろう無機質な寝台しか見当たらない。しかも元々狭い部屋を暗くして居るのだ。どれだけ趣味の悪い人の────



「ぼくは一緒で構いませんよ」



ニコリ、微笑むフョードル・ドストエフスキー。


…………どういう、

その突拍子な言葉に、思わず頭は思考停止。
そして穢れ一つない笑顔に見詰められてから数秒後、理解した私は、顔をブンブンと横に振って拒否をした。
そのまま即刻、道化師に隠れて距離を置く。

「アハハ、ドス君嫌われてる!」

「おや……何故でしょう?」

「怖がらせすぎだよ!!」


さっきまで脅しに脅しまくってたのに何を言うの……?
温度差が怖すぎて、こっちの道化師───ゴーゴリさんの方がマシに思えてきた。

こんな人と二人っきりにされたら堪らない。



「Aさん」



ゴーゴリさんに「こっちだよ!」と連れられて、渋々ここでの生活を腹に決めた私は、彼の呼ぶ声に顔を上げた。

────この男の事を“知る”だなんて、とてもじゃないけど現実的ではない。




「眠れなければいつでも来てください」




────また、撫でてあげますから。



その発言に初日の事を思い出した。
反射で顔が熱くなる。

恐怖で眠れないのは、貴方のせいなのに。

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すみれ(プロフ) - 続き待ってますT  ̫ T大好きです!! (11月24日 1時) (レス) @page22 id: afb728284e (このIDを非表示/違反報告)
橘スミレ(プロフ) - ヤンデレ感が大好きです! (2023年7月7日 2時) (レス) @page22 id: 4832f2335e (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - ヤンデレ感がほど良く良きかなぁっって感じです! (2023年4月7日 9時) (レス) @page15 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
りり - この作品、面白くて大好きです! ドス君可愛すぎて悶絶してます!応援してます!頑張ってください。本当に最高です!! (2023年3月14日 14時) (レス) id: a887dfa2de (このIDを非表示/違反報告)
ヲタク - ゴーゴリ君とドス君かわいいです(*´∇`*)ほんとすきです!応援してます‼ (2023年3月3日 23時) (レス) id: f2a2ba5f11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高澤白 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2023年1月31日 20時

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