晴れ ページ44
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「____警視庁との兼職は解約しました」
「………え、？」
___ごめんなさい。
そう云おうと頭を下げて、叱責を覚悟し目をぎゅっと瞑った直後
降りかかったのは上司の硬い、いつもの声だった
「だから、…はあ」
目をぱちくりさせて勢いよく顔を上げれば、呆れた安吾さんは溜息を漏らし私を見た。
雲ひとつない青空の日。
昨日の夕立が嘘だったみたいに、____否、嘘、だったのかも。なんて、昨日の出来事が頭によぎった
___それでも、今聞いた言葉は信じられなくて
「日外君、僕が何度頭を下げたと思いますか」
「……どういう、」
「だからですねぇ」
安吾さんが怒っていない。__それ以前に、
「……私の、警察との契約を切ったって、…」
「君がここに居ないと、オフィスがまるで嵐の日のように暗いんですよ」
なにそれ、
金魚のようにぽかんと空いた口。痺れを切らした安吾さんは、私の隣を横切ると、間際に背を押した
「これ以上僕の仕事を増やさないでください。
君のあの様な顔も、マフィアとの交友も、上官との干渉ももう懲り懲りです
___ほら、
こうしてマフィアが君に会いに来るのも」
「____え？」
違う。嘘だ。
安吾さんの目配せした窓の外、真っ黒な車の隣
ただの見間違い、聞き間違い？
そんな車、うちじゃあ何度も目にするものなのに。
「行ったらどうです？」
何でも無い風な声が催促した。
「これ以上マフィアに留まらせていては、責任者である僕が打首になってしまいますから。…ああ、丁度善い。日外君、午後からはあのマフィアを追い払ってもらえますか」
「……、でも、」
「さあ早く。仕事へ向かってください」
何時もの、てるてる坊主を作っていた私に向かって怒るような声色で安吾さんは云う。
だから何も云いかえせなくて、
俯きながら忙しないオフィスを歩いた。
下を向いて、反論出来ないまま、手を握って。
「___A、」
すれば、安吾さんは私を呼んだ
「君には笑顔が似合います。
だから彼のためにも笑って、
自信を持って幸せになりなさい」
.
今日は晴れだった。
「___あっれぇ？先輩、Aさん送り出しちゃったんですかあ？
綾辻先生の所に身を潜めさせたり、あんなにAさんを心配してたのは安吾さんなのに。
それも相手はマフィアですか！」
「…うるさいですね。さあ、仕事ですよ」
「うっふふ、へいへい」
あの子が入りたての時も
___ああそうだ。
今日の様な、青い空だった
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にんじんさん。(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございます…！ (2019年6月4日 16時) (
レス) id: 13fcb4bada (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - あなたもしや…、中也推しですか!? (2019年1月7日 0時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
高澤白(プロフ) - 白井なでしこさん» コメントありがとうございます。ありがたい言葉ばかり並んでおりますね笑とにかくありがとうございます！頑張ります！ (2018年3月30日 13時) (レス) id: 9d2314264a (このIDを非表示/違反報告)
高澤白(プロフ) - 月ノ輪さん» ひゃー、お世辞でも嬉しすぎます…。前作もありがとうございます！そのコメントだけで次も頑張れますので期待に応えられるように書いていきますね！コメントありがとうございました！！ (2018年3月30日 13時) (レス) id: 9d2314264a (このIDを非表示/違反報告)
高澤白(プロフ) - ユーナ橘さん» ありがとうございます…！少しでも雨に対する思いが伝わればいいな〜と思います。こちらこそ最後まで読んで頂きありがとうございました！ (2018年3月30日 13時) (レス) id: 9d2314264a (このIDを非表示/違反報告)
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