【文スト】また、雨の降る日に

曇り ページ23

だから、

相対する物が存在する(・・・・・・・・・・)事が発動条件の異能力と________

反対がないもの(重量遣い)が選ばれた訳で。


通常マフィアと正面対局だなんて滅多にない事だけど、軍警察の“あわよくば”と云う願いの特例で、私だから(・・・・)許された任務。


「慎重に」と、後ろから聞こえた気がする



その角を曲がれば其処にはマフィアの対象相手が───────居る筈、なんだ。








ポツリ、ポツリとアスファルトに雫が染みる

それは、夕立だ。




音もなく降り出すそれは、幾つもの雨声を奏でて

広げたお気に入りの傘の視線の先に広がる曇天の中。






蕭条な景色の中にただ一つ、目に焼き付く、夕日みたいで、でも太陽の様に浮かぶ橙色。

なのにそれを反射させるかの如く、赤に相対する深い深い湖を閉じ込めたような空の色。







周囲を耀かせるそれらは、私の呼吸と心を奪い取って。








──────カツン、と誰かの傘が落ちた





「______帽子、さ、…ん、……？」





──────ポツリ、と誰かの声が消え入った








嗚呼、違う


これは、全部。全部私の、私の、か

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