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99話 ページ3

一松side

……最近、兄弟間が重苦しい。

俺と十四松は少し距離を取られていたけど、俺らが喧嘩売ったようなもんだし、チョロ松兄さんたちはまだ話しかけてくるときもある。

そして最近特におかしいのはクソ松とトド松だ。

トド松は俺ら、というより兄弟全員にビクビクするようになった。たまにブツブツ呟いてる。

カラ松は一人でボーッとするようになった。あのイタイ服を着て外に行くことも少なくなって、家にずっといる。

これに関しては他の兄弟もかなり困惑していた。


「なぁ一松ぅ、あいつらどうしちゃった訳?」

「知らない」

「えぇー、一松たちも分からねぇのかよー!」


久々におそ松兄さんに話しかけられたと思ったらこれだ。

長男って大変だ。ギスギスしてても面倒を見ないといけない。その中にAが入らないのは癪だけど。

そんな変な空気が漂ったリビング。スパーンと思いっきり襖が開いた。


「一松兄さーん!!ビッッッグニュース!あれ、おそ松兄さんといたんだね!」

「……たまたまだ。で、ニュースってなに」

「一松のイケズ〜」

「あのね、クリアが新曲出した!!」


全員、十四松を見た。俺は十四松と一緒に二階で聴こうと立ち上がったときだった。


「なぁ一松」

「じゅ、十四松兄さん…!」


変な空気を出していた二人が俺らに声をかけてきた。俺と十四松は目を合わせて疑問符を浮かべる。


「話が、あるんだ」

「僕もちょっと…ね」


何故このタイミングなのか考える。十四松はともかく、俺は猫に会いに行く以外は家にいたからいつでも話せたはずだから。

そして一つの考えにたどり着きそうだったとき、口を開いたのは俺じゃなく


「僕は、二人の話なんて聞かないよ?」


いつも通りニコニコと口を開いている十四松だった。


「僕らが博士のとこにいた日、外でトド松も聞いてたんだよね!」

「それは……」

「入ってこなかったよね」


十四松が真顔になった。いつもニコニコしてるせいか恐怖が増す。


「いつまでどっちにつくか悩んでるのー?」

「ご、ごめん…。でも、僕は」

「はいストップ」


流石にお互い引っ込みつかなくなる。こういうときのストッパーは僕だ。


「十四松、気にするな」

「でも!」

「自分の罪悪感を減らしたいだけなんだろ。ヒヒッ、やっぱ俺ら六つ子はクズなんだよ」


途端に静かになるリビング。トド松はその場に座り込み、クソ松も俯いていた。

否定しないんだね、俺の兄弟。

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yamaneko(プロフ) - この作品大好きです!更新待ってます! (2022年5月29日 17時) (レス) @page23 id: 07c8e63397 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 個人頑張ってください!一気に読んでもう…泣けてくるわ (2020年6月26日 0時) (レス) id: 754c695e6f (このIDを非表示/違反報告)
るるるs - 98話 天ノ弱を歌っているのはGUMIですよ。(少しばかりの訂正文失礼しました) (2020年6月1日 0時) (レス) id: 237a7189ae (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - あと、この小説に出てくる歌い手さん全員大好きです!! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 1日で一曲目二曲目三曲目読んじゃいました!!!好きです!こういう深いの大好きなんです。更新頑張ってください!! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三鈴 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月1日 10時

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