53話 ページ5
トド松side
十四松兄さんに聞かれた。家族って何か、って。それで思い出したのは少し前に見たアルバムと一松兄さんの言ってたこと。
《信じたい方信じれば?》
《違いなんて後悔するかしないかでしょ》
僕には5人の兄さんがいる。でもそれは生まれた順で、実際1つのものが6つに分かれてるから兄弟の区別は無かったはず。
昔はお互い呼び捨てだったし、別に一番下でも気にしなかった。確か最初に意識したのは……チョロ松兄さん?だったかな。
そして丁度その時にAが産まれた。
チ《良いか!僕のことはチョロ松お兄様と呼べ!》
十《何、言ってるの?》
カ《僕、今のままでも良いよ?》
お《えぇー、面白そう!じゃあ俺はおそ松兄貴?おぉ、何かカッコイイ!》
いつもの思いつきだと思って最初は皆付き合ってる感じだった。でもAが喋れるようになって、
『おしょまちゅにぃ、カラまちゅにぃ、チョロまちゅにぃ、いちまちゅにぃ、じゅうしまちゅにぃ、トドまちゅにぃ!』
「「「「「「か〜わい〜い!!」」」」」」
メロメロになった僕らは完全に「○○兄さん」呼びが定着した。しかも僕のことを兄として呼んでくれたのはAだけ。とても嬉しかった。
そして僕らが個性としての色を決めた日。僕の手は余り物の桃色のパーカー。皆は嬉々としてその場で着始める。僕は着たいと思えなかった。
そこに来たのはA。パーカーに気付いて笑顔で近付いて来てた。
『おぉー、兄さん達新しい服?似合ってるね!』
お「それだけ〜?もっとさ、何かこう、ない!?」
『何かって言われても……』
Aは少し考えた後に、
『まず、おそ松兄ちゃんは太陽かな。みんなを照らしてくれる太陽。
カラ松兄ちゃんは……空みたい。どこまでも行けそう。
チョロ松兄ちゃんは緑か。何か3人合わせると戦隊ヒーローっぽいね。
一松兄ちゃんは夜?かな。暗いし地味だけど落ち着くんだ。
十四松兄ちゃんはー、光。何かね、笑ったらこっちにまで笑顔が移るし』
次は、僕。きっと男の子なのに桃色は変って言われるのかな、なんて。
『トド松兄ちゃんは……ワックスフラワー!』
ト《わっくす、ふらわー?》
『うん!花言葉はーーーなの!ピッタリでしょ?』
僕は、Aに救われた。いろんな色の中で一番桃色が好きになった。それは紛れも無い事実。でも、僕が妹イジメに加わったということも事実。
花言葉【まだ気付かれない長所】
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如月裕翔(プロフ) - このお話おもしろ!!友達なりたいです!でも申請の仕方がわからないので申請してくれると助かります!あと、ためおけですかね?こっちはためおけです! (2020年1月13日 1時) (レス) id: 364751019e (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - このお話とっても読み応えがあってすごく好きです。良ければお友達になってくれませんか?頼んでおいて申し訳ないのですが、申請の仕方が分からないので申請して頂けると嬉しいです。 (2019年9月28日 14時) (レス) id: dc5a620aef (このIDを非表示/違反報告)
らむね(*^▽^) - サツマイモ組で腹かかえて笑ったwwww (2019年9月25日 0時) (レス) id: 2553d8a9dd (このIDを非表示/違反報告)
松野霊夢 - 友達になって下さい、でも友達申請ってどうするんですか? (2019年9月8日 21時) (レス) id: 30f8667df4 (このIDを非表示/違反報告)
花松 - 友達になってください (2019年8月19日 12時) (レス) id: db133532e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三鈴 | 作成日時:2018年2月5日 19時