３３話 ページ35
私は迷った。この人たちに言って良いのかを。会うのが２回目と言っても私たちは友人と呼べる関係じゃないから。
２人は自らが歌い手だと明かした。私がバラすかもしれないのに、自分たちが身バレするかもしれないのに言ってくれた。
ここまでやってくれたのに私が言わないのはおかしい。でも私には本当のことを言える勇気が無い。
ま「無理に、言わなくても大丈夫です。だって僕ら、まだお互いのこと知らないし」
そ「俺に関しては会ったの２回目だし」
『何で、私のことを知りたがるんですか』
語尾が小さくなるのが自分でも分かる。でも私には分からない。何で２人がこんなにも優しいのか、暖かいのか。
ま「僕には、松野さんが苦しそうに見えたんです。それに僕が苦しんでるときに助けてくれました。自分を助けてくれた人が苦しんでいれば恩返ししたいと思うのは当たり前です！」
そ「まふに言った言葉、俺も聞いた。だから俺も使わせてもらう。互いのこと知らないから言えることもあるんじゃないの？」
その言葉を聞いて、私の目には涙が溜まり、そして目から溢れた。どんどん流れる涙を何故か止めようとは思わなくて。
２人に見られたくなくて、顔を伏せた。机にはいくつもの水たまりが出来る。小さいそれは、次第に大きなものに形を変えていった。
この人達を、信じてみたい。こんな風に思ったのはいつぶりだろう。私にはさっきまで無かった何かが体の奥底から湧き上がってくるように感じた。今なら言える。
『お話します。私の周りで起きたことを』
未だに涙が溜まっているけど、私は顔を上げた。その勢いでまた涙が流れる。でも、もう関係ない。
私は、自分が人を信じている未来が見たいから。その未来に近づきたいから。
『……この話はこれで終わりです。何か質問はありますか？』
そう聞いても、ただ沈黙が流れるばかり。でも私が動くわけにもいかない。しばらくの間、誰も何も話さなかった。
そろそろ耐えきれなくなったころ、沈黙を破ったのは誰でもなく、私のスマホだった。『すみません』と一言言い、確認すると一松兄さん。
スマホに写る文章の意味を数秒考え、理解した瞬間叫んでしまった。
ま「どうしたんですか！？」
『その、兄から連絡がきたんですけど……』
そ「スマホには味方の２人しか入れて無いんだっけ」
『はい。４番目の兄がこんなことを……』
そう言って、自分のスマホを見せた。
一松：トド松が連絡先教えろってさ。どうする？
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ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました！だ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました！ (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです！友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります！なので友達申請させて頂きました！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三鈴 | 作成日時：2017年8月25日 18時
