1話 ページ2
チュンチュン......と鳥の声で目が覚める、なんてことは無く普通に目覚ましを止める。
『今日も、始まるのかな』
その時、腕に巻いていた包帯がほどけた。そこからはすでに止まった血と青いアザが見えていた。
兄たちはいわゆるニート。朝は起きるの遅いし夜は眠るのも早い。だから、私が安心出来るのは朝か夜だけだ。
貴『お母さん、おはよう』
母「Aおはよう。ケガは大丈夫?」
お母さんとお父さんはこのことを知っている。でも、私が知らないふりをするようにお願いした。私がチクったと言って攻撃に入るからだ。
母「Aが言うならそうするわ。でも、ケガの処置ぐらいはさせてちょうだい」
という条件でお願いを聞いてもらった。もちろん兄たちはこんなこと知らない。
そろそろ皆が起きてくるから、とお母さんにお礼を言って2階の自分の部屋に戻ろうとした。
階段を上がるのでもちろん上を向く。私の視界に映ったのは青いパジャマ。ゆっくりと顔の方に目を移す。アホ毛は無い。ってことは
チ「うわ、朝から気分悪いんだけど」
貴『ごめんなさい』
3番目の兄さん、松野チョロ松。主に言葉での攻撃で、多分精神的ダメージは主にチョロ松兄さんからだろう。
関わりたく無かった。だから駆け足で階段を上がる。その時に肩が当たってしまった。そのことに私は気づかなかった。
チ「人と肩ぶつかっても謝らないの?」
貴『えっ?!』
気付いた時にはもう遅い。私の体は浮いていた。兄さんの腕がこっちを向いてるから、落とされたのか。
後ろ回りのように下まで転がり落ちて、そこで動きを止めた。
母「今の、何の音!?」
チ「あぁ、あのね」
貴『私が足滑らして落ちたの。足元見てなかったから』
母「ケガはない?手当てするわ」
貴『お母さんは心配性だなぁ。大丈夫だよ!私、部屋にいるね』
こんな感じで毎回誤魔化す。バレてる時点で誤魔化す、なんて言えないけど。
チョロ松兄さんは何故か驚いた顔をしたけど、私は見てないことにして、自分の部屋に向かった。
ドアを閉めて、布団に潜った。今日は仕事休もうかな。まだ有給あったはずだし。部長に電話して、休みをもらえた。やっぱり有給あった。
貴『痛いなぁ……』
さっきの階段で体が痛いのか、心が痛いのか自分でも分からなくなった。でも痛みは感じるし、消えないと思う。
お昼になって欲しくないな、と願いながら眠りについた。
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ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました!だ (2019年5月7日 19時) (レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました! (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです!友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます! (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります!なので友達申請させて頂きました! (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三鈴 | 作成日時:2017年8月25日 18時