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「…お主にはがっかりしたぞ。私のことをいつまでもずるずると引き摺って何になる?鬼も人間も、生きているものがいずれ死ぬのは当然だろう。命が永いか短いか、呆気なく死ぬか否かでは多少の違いはあるが。

良いか?人間や花の命はいずれ朽ちるから美しいと言うだろう。それは鬼とて同じこと。人間は自分たちだけの特権だと思っているのだろうが、鬼だって存外脆く儚い。
日に当たれば死に、頸を斬られれば死に、何なら毒でも死ぬ。大江の山の鬼なんて酒で酔ったところを斬られたほどだぞ?さぞかし阿呆なのだろうなぁ…

兎に角、いずれ散るから美しいとまでは言わん。だが…命とは尊いもの、それは確かだ。人間のも鬼のも、鳥や虫、獣…植物も。そんなことは些細な違いにすぎん。人間だからどうだ、鬼だからどうだなんてことあるはずがない。生き物は皆、命を大切にし、いつか散るのを待つしかできることがない。何を成したか、何を大切にしたかの価値なんて他人が計り知れるものではない。だから…



私を救えなかったことを悔やむな。私は幸せだったぞ。お主のような立派な弟を…家族を持てたこと。私は然るべき処へ逝っただけだ。遅かれ早かれ、命あるものはこうなる。当たり前のことだ。救えなかったなどと言って、私の唯一の弟を侮辱することは赦さない。

だから、悔やむな、誇れ。神凪家次女の、上弦の弐の、何より、私の家族であったことを」

一方的に浴びせられた言葉の数々。
纏まりのない文はちょっとらしくない感じもするけど、要約すると命を大切に永生きしろ、私の人生を勝手に押し図った上で不幸者扱いをして後悔するな、私は幸福者だった。そう言いたいのだろう。いつの間にか手紙から顔を上げ、此方をじっと見つめていた姉上(に擬態した黒死牟殿)。

どうするんだと、そう訊ねてきている気がしたから、「もう大丈夫だ」という思いを込めて頷いた。

満足そうな顔で立ち上がり、寺院を去っていく姉上が不意に足を止め、俺に何かを投げて寄越した。

「私の部屋の棚、上から二番目。
私の好きな花の木箱の鍵だ。」

そう言って、また俺に背を向けた。

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煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 実は仲間です……((( 頑張って下さい!! (2020年11月1日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» わかりますさては仲間ですね…(????)((( できるだけ本家の設定を崩さず書くようにしますね…! (2020年10月31日 20時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本家の設定に沿って違和感のないように描写するの私も苦手で、、ほんとよく分かります、、 (2020年10月31日 0時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)
つるかめ(プロフ) - �(ウズミビ)さん» そう言っていただけて本当にうれしいです…!ですよね…最悪血鬼術とか身体能力を言い訳に無理矢理繋げることになっちゃいそうですが…;;; 私が書ける限りの最高のものにすできるよう頑張ります! (2020年10月30日 18時) (レス) id: 21a20e72bc (このIDを非表示/違反報告)
煨(ウズミビ)(プロフ) - つるかめさん» 本当に面白くて……つい一気読みしてしまいました、!戦闘場面の描写は難しいですし、時間もかかりますもんね……楽しみにしてます!! (2020年10月30日 17時) (レス) id: eaf0a1c543 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つるかめ x他2人 | 作成日時:2020年8月12日 1時

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