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ページ14

*side 志麻*

彼女を腕の中に抱きしめて、自分の顔が見えないようにする。
何でかって言われるとやはり少し不安があるからだろう。


 
「A…あんな、俺言いたいことあるんよ。」

「何…?」

「俺ら、付き合って7年くらい経つやん?」

「そうだね。あっという間だねー」

「そうやなー…」


 
どうやって切り出したろ。
いや、行けいってまえ、男・志麻を見せるんや!!
ここでへたれたら男が廃る!!


 
「んでな、俺誕生日に欲しい物あるんよ。」

「ん…?そうなの?」

「それは、Aしかできないことやからさ…」

「へ…え、ちょっと待って…」


 
そう言って彼女を腕の中から解放し、まっすぐ見つめる。
彼女の顔も赤くなっているが、同じくらい俺の顔も赤くなっていることだろう。
言いたいことは、今から言うこの言葉だけ。


 
「A…お前が欲しい、これからもずっとずっと一緒におってほしい。俺と…結婚してくれんか?」

「志麻……君……」

「誕生日プレゼントに、お前のこれからの人生…俺に頂戴?」


言えた。
言ってしまった。

少し、沈黙がある。
目の前の彼女は、驚きのあまり固まっていて
その目は徐々に潤み始めていた。


「……うん…うん…!!あげる…私の人生、志麻君と一緒がいい……」

「ホンマ!?…よかった……」


 
泣きじゃくる彼女をそっと抱きしめ、心の奥底からほっとする。
あぁ…よかった。誕生日にプロポーズとかちょっとくさ過ぎない?とか思ったけど…
やって、よかったわホンマに。


 
「A、こっち向いて?」

「ん?」

「手ぇだして。」

「…うん。」


 
差し出された彼女の左手の薬指に、用意していた指輪をはめる。
銀色に紫のアメジストがはめ込まれている。
本来ならば、こんな時はダイヤモンドとかそう言ったものがいいのだろうが…

 

「紫、俺の色やからな。」

「ふふっそうだね。」

「これからもよろしくな、A。」

「こちらこそよろしくね。」



「愛しちゅうよ……A。」

「私も、愛してるよ。志麻君。」


 
 
月明りが2人を照らしている。
肩をそっと抱き寄せ、どちらかともなく唇を合わせれば愛しさが一気にあふれてきて
何ともいえない幸福感に身を包まれる。

今年は最高の誕生日になったわ……永遠の愛をお前に誓うで。



 


誕生日には…お前を頂戴?






 
 
 

---End---

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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年9月17日 1時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
あかはね(プロフ) - キュンキュンさせて貰いました…。志麻くんかっこよすぎません?← (2019年12月2日 17時) (レス) id: e76134e0bd (このIDを非表示/違反報告)
ポン酢(プロフ) - めっちゃよかったです! (2019年12月2日 16時) (レス) id: 76be53e752 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Elice | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Elicelist/  
作成日時:2019年11月24日 16時

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