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一虎は目に涙を溜めてAを見上げた。
Aも応えるように優しく微笑むと
一虎の頬を撫でて言った。
「もう終わりにして、帰ってきて。一虎。」
「いいのか、俺…お前らのとこ帰っても…」
「万次郎に殴られるくらいの覚悟はしなきゃね??」
Aの言葉に一虎は小さく笑い声を上げた。
「千冬、一虎のこと見てて。お願いね。
圭介は今からわたしが回収するから。」
「はいっ。」
「終わるまで、待ってられるね??一虎。」
「…ん。」
Aは頷いた一虎の頭を撫でると稀咲を
潰そうとしてる圭介を蹴りでふっ飛ばした。
誰もが呆然としたようにAを見た。
「堅、圭介連れてって。」
「おう。任せろ。」
「隆、稀咲くん、万次郎連れて退くよ。
さっきサイレンの音がしたから。」
「わかった!!」
「ッス。」
「スマイリー、ムーチョ、まだまだ動ける??」
「ヨユーだぜ!!A!!」
「こっちも平気だ!!」
「頼もしいね!!
各隊隊長、副隊長は隊員
逃しつつ最後尾で追って。
半間くん、もう時間ないけど
最後に決着つけようかー??」
「ばはっ。
やっとヤル気になってくれたかよ、
Aチャン??」
指示通り各隊撤退の準備を整えた。
Aは自分よりも頭2つほど
大きい半間を前にひとつも怯まず、
今までの手加減していたのを見せつけるように
一蹴りしてその体をふっ飛ばした。
あり得ない音がして、ふっ飛んだ半間は
フラつきながら立ち上がったが、そのまま
支えを失くしたように横に倒れ込んだ。
「東京卍會特攻隊長·蔵谷A!!
芭流覇羅総長代理·半間修二は倒した!!
動ける人はちゃんと味方連れて帰るよー!!」
Aのよく通る声に東卍も芭流覇羅も
それぞれメンバーを連れて、撤退した。
ギャラリーたちも警察が来る前に退いていった。
蘭は廃車から飛び降り、中央で逃げ遅れが
いないか確認するAを呼んだ。
「もう誰もいねぇよ。
お前も早く来いよー、A。」
「蘭ちゃん!!」
特服を靡かせてAは走り寄ると
蘭はその手を掴んで歩き、
近くに停めてあったバイクに乗せた。
「竜胆、俺コイツ送ってくるから先帰ってろー??
捕まんなよー。」
「わかってるよ。」
「竜胆さん!!
わたし蔵谷Aっていいます。」
「知ってる。
またそのうち会おうな、A。」
「はい!!」
「じゃ、行くぞー??」
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
