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海外に行ったのは種類豊富なお酒と
それに合う食べ物を見つけるため。


そこまで思い至って聡は顔を覆って笑った。




「はー…
 ホントに我が妹ながら
 スゲー奴だな、お前は。


 それもちゃんと自分の力で
 叶えるんだからな。」



「だってお兄ちゃんの
 背中見て育ったんだもん。
 当然でしょ??」



「そこの2階に住むのか…」



「うん、その予定だよ。
 お兄ちゃんもここ出るつもりなんでしょ??」



「1号店に戻ってきたらここのすぐ近くに
 家を建てるつもりでいたんだ。」



「タイミングも丁度いいし
 応援してほしいな。」



「そんなの当たり前だろ。
 うちの妹は可愛くて賢いんだって
 みんなに自慢してやる。」



「ふふ、わたしもお兄ちゃんが自慢だよ。
 これからもわたしたちは兄妹で家族。


 でもね、お兄ちゃん
 もうわたしのこと何より1番に
 考えたりしないでね??」




Aの言葉に聡は言葉を詰まらせた。




「…何で…」



「お兄ちゃんにはもう
 お兄ちゃん自身の家族が出来たから。


 わたしにとってもかけがえない家族。


 これから先、お兄ちゃんが1番に守って
 あげなきゃいけないのはお姉ちゃんだから。」




その言葉には深い愛が感じられた。


思わず目に涙が浮かんで、その体を抱き締めた。




「…お前は昔からはいつもそうだよな。


 妹で守ってやんなきゃって
 思ってたのにいつも俺を支えてくれて、
 こうして道を示してくれて…


 ホントに頭が上がらねぇ…」



「だって兄妹だもん。


 わたしたちは小さい頃から
 助け合って生きて来たんだよ??


 これからも変わらないでしょ??
 大好きだよ、お兄ちゃん。」



「俺も、Aが大好きだ。
 幸せになろうな。


 俺たちは不幸じゃねぇって
 ばあさんに見せてやろうな。」



「うん!!
 おばあちゃん、きっと安心してくれるね。」



「…3年前よりずっと
 いい女になったな、A。」



「お兄ちゃんはちょっと
 老けたけどカッコいいよ。」




そして2人は笑い合った。


仕事から帰って来た香菜も2人の
様子を見て嬉しそうに微笑むと、
3人で並んで寝ることにした。


安心するのに何処か楽しくて、ワクワクして
中々寝付けない夜だった。


翌日仕事に行く2人を見送ったAは
不動産からカギを受け取り、


インテリアなどを元々決めていたお店に連絡して
運び込む手配を済ませ、酒の注文を進めた。




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作者名:YUMi | 作成日時:2022年7月23日 12時

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