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「香菜ちゃんはまだお兄ちゃんのこと
大事に思ってくれてる??って。
私、恥ずかしい話だけど別れてからも
聡くんしかいなくて…未練だらけだったから
今でも大切な人は聡くんだけって答えた。
そしたらAちゃん
まだ初めて会った子どもの時みたいに
嬉しそうに笑ってくれたの。
わたし香菜ちゃんが大切だから
お兄ちゃんのこと支えて欲しいって。
家族とか友だち以外で大切にしたい人が
わたしにも出来たからって。
私すごく嬉しくてAちゃんと約束したの。
聡くんとまた一緒にいるって。
お兄ちゃんがダメになっても香菜ちゃんが
いてくれればきっと大丈夫だからって
その言葉を信じて聡くんに会いに来たの。」
「Aちゃんは聡くんのために…??」
「そこまでは言ってなかったけど
自分がいるといつまでもお兄ちゃんで
居ようとするからって言ってたかな。
その後は２年前から連絡取れなかったんだけど
手紙が届いたの。
１年くらい前かな??
今はアメリカの田舎街に住んでるって。
アメリカでバブ走らせて着いた田舎街で
子どもと孫を事故で亡くした
おばあちゃんに会ったんだって。
Aちゃんのこととても
可愛がってくれてるって言ってた。
そのおばあちゃん病気なんだって。
余命宣告されて…
でもAちゃんが来てから
楽しそうに笑ってくれるから嬉しくて
Aちゃんおばあちゃんのこと
看取るって決めたって書いてあった。」
「…そういうこと…なんだもーう…
ホントにAちゃんて…」
「やさしい子だよ、あの子は。
昔から変わらない、自分のことのように
人の痛みに寄り添ってくれるの。
だから私はここでAちゃんを
信じて待つことにしたの。
聡くんにはナイショなんだけど。
最初はホントに私たちのことを考えて
離れて行ったはずなのにちゃんと最後には
自分で目的を見つけちゃうんだから。」
ちょっと困ったように笑う香菜は
妹を心配する姉の顔をしていた。
「今のAちゃんのことはわかりました。
もう１つだけいいですか??」
「うん、もちろんだよ。
武道くんが聞きたいこと私で分かることなら。
Aちゃんもすごく信頼してたから。」
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
