手のぬくもり ページ41
▽
都内の病院。「丹野A」と書かれたプレートがつけられた個室をノックすると、男の人の声が返ってきた。
マネ「内田さん...」
内田「こんにちは...」
ベッドに横たわるAは、何も言わなかった。
マネ「今は眠っています。今日は検査続きで疲れたみたいで...」
内田「......末吉さんは、大丈夫ですか」
マネ「僕は全然......僕が変わってあげられれば...」
憔悴しきってる顔だった。Aをかばって、犯人と揉みあって自分も怪我したのに、おそらく寝ずにAに付きっきりなんだろう。ドアが開いて、入ってきたのはAのお姉さんだった。
姉「真礼ちゃん......わざわさ来てくれてありがとう...」
内田「いえ...」
姉「伸明さん、少し休まないと...」
動かない末吉さん。お姉さんも、妹と旦那さんの二人が怪我を負って、相当心労が重なってるはず...
内田「末吉さん。今日は私がついてるので、休んでください」
末吉「でも......」
内田「奥さんを安心させてください。今はお子さんも生まれたばかりですし、末吉さんが倒れると...」
末吉「...すみません」
二人は病室を出て行くと、ベッドの横に置かれた椅子に座って、Aの手をそっと握る。
内田「......A」
きっと、私にだって何か出来たはずだった...
警察の捜査で、明らかになった生々しい光景。
犯人はナイフでAを切りつけ、抵抗されてナイフを落とした。その後Aに殴る蹴るの暴行を加え......
切られた傷もすぐに止血され、脳にも異常はないから大事には至らないと医者は言っていた。
でも、処置を受けて目を覚ますと、Aはこう言った。
『目の前が...見えない...』
頭部や顔に受けた衝撃で......視覚障害を起こしていた。
すぐに処置が行われて、幸いな事に異常が起きた部分の場所が良かったのか失明は免れた。次第に視力も回復するとお医者さんは言ったけど...
『......誰か、いるの？』
少し掠れた声が聞こえて、握った手がそっと握り返された。
内田「起きた...？」
『真礼...？』
呼ばれないとAが起きた事に気づかなかった。Aも、近くにいるのが私だと分からなかった。
Aの目が包帯で覆われているから。
まだ処置後の経過で目の負担になる外部刺激を与える事が出来ない。
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gtuysut5843…(プロフ) - 好き！！！！控えめに言って神！！！！泣けるし、笑えるし、いい話だし！！！声優さんたちとの関係性もすこです…続編楽しみにしています！！！ (2022年7月26日 2時) (
レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ひまなみ(プロフ) - 作品読みました！もう！あーーー！！ってなるほどもどかしく、でも面白くて最高です！！更新頑張って下さい！！ (2022年6月16日 7時) (レス) @page50 id: e0f8058dad (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 作品読ませていただきました。日常的な会話や、感動シーンまで全てにおいて素晴らしい作品だと思います！この小説はとても面白くて好きなので、更新楽しみにしてます。 (2022年4月30日 17時) (レス) @page49 id: a995b7f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - きららさん» ありがとうございます！もっと上手く話を書きたいのですが難しいですね〜。亀更新ですがよろしくお願いします〜 (2022年1月8日 0時) (レス) @page49 id: 39a3459d31 (このIDを非表示/違反報告)
松野(プロフ) - 夜野 望さん» ありがとうございます！更新遅いですがお付き合いください〜 (2022年1月8日 0時) (レス) @page49 id: 39a3459d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祭 | 作成日時：2021年7月14日 0時
