パパが嫌いだ【爆豪勝己】 (ページ13)

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あのあとすぐに私は出久の家にきた

よく来るのでどんな家かは知ってるけど

やっぱりいつ見てもオタク感満載

出久とパパが小さいときは

＂オールマイト＂というヒーローがすごかったんだって

教科書に載ってるから私でも知っている

出久はそれのフィギュアやポスターを

数え切れないほど飾ってある

「とりあえずAちゃんはお風呂にはいろっか。

風邪ひいちゃうし」

そう用意してくれてあった暖かいお風呂

思わず長湯してしまった

お風呂から出れば

私が泊まった時用に買ってくれたパジャマに着替えた

そのあと､眠たい目を擦りながらリビングにいけば

「ココア出来てるよ！」

暖かいココアまで準備してくれていた

『ありがとう』

大きなソファーに座ってココアを飲めば

もう体がホカホカだ

その間出久は＂かっちゃんに連絡しておかなきゃ＂とか

ボソボソとスマホに向かって喋っている

パパは別に私の事なんか心配してないのに

そんなことしなくていいのにな。なんて。

「 Aちゃん､寝よっか」

そう言って出久は私をフカフカの布団に入れてくれた

彼の匂いがいっぱいで落ち着く

幸せだ。

「明日はパパのところ帰れる？」

そう言って私の頭を撫でてくれる出久

帰らないと出久に迷惑かかっちゃうもんね

『うん､帰る』

長い沈黙のあと私は小さな声でそう応えた

嫌々そう言ったのが

きっと出久にも伝わった

「 Aちゃんのことパパはちゃんと心配してるよ」

＂大丈夫だからね＂

彼が私の頭を撫でる手つきはとてもママにそっくりで

あまりの心地良さに私はすぐ眠りについた

その晩

長い長い懐かしい夢を見た