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それぞれ左から順に降谷零、伊達航と紹介すると、航の方は前に一度コンビニ強盗の時に会っているからか、比較的早くに打ち解けていた。
お前の父ちゃんカッケーな、とか話してたから、多分この先も大丈夫だろう。
問題は零と陣平だ。
こいつらはさっきから一言も言葉を交わすこともなく、ただお互いに睨み合うことしかしていない。
間に挟まれた航はオロオロとしながら「二人とも落ち着いてよ」と仲裁しているし、研二は二人の睨み合いに怯えて私の後ろに避難中。
……死ぬほど不安だ、先行きが。
もうこれ一生会わせねぇ方が良かったんじゃねーかと思うレベルで不安だ。
いやでも、紹介してなくてある日「あいつ誰だよ」ってキレられても面倒だしな。
無駄に晴れ渡った空を忌々しげに見つめている間にも、零と陣平のくだらない張り合いは続いていく。
「A!!コイツとオレ、どっちがだいじなの!!」
「うわめんどくさいのきたコレ」
「ぜったいオレだ!!!だっていっしょにふろはいったもん!!!」
「いや、なんのステータスだよそれ。てかそれ、ほいくえんのはなしな」
あん時はうちに陣平と研二が泊まりに来てて、母さんが「二人だけだと危ないから」って私を行かせたんだよな。
まぁ別にガキの体に興奮するほど飢えてないし、寧ろ男なんてクソ喰らえの精神だから、何事もなく終わりましたけども。
これでなんかあったら色々やばくないか、私。
急に昔のことを持ち出す陣平にツッコミを入れていると、何故か零が絶望したような顔で私を見てくる。
そんなにショックを受けさせるような内容を話した覚えはないんだが。
「……A、オレともおふろはいろ」
「まてまて、なんでそうなる。さすがにこのとしじゃはいらねーよ」
「コイツとははいったのに、オレとははいってくれないの?」
「オマエまでおもたいカノジョムーブをするな」
既に学校で重たい彼女ムーブ(私以外どうでもいい発言)を受けたのに、まさかここでまで受けるとは思わなかった。
すると、零の発言に今度こそ陣平が青筋を浮かべて、目の前で意味の分からない喧嘩が勃発し始める。
喧嘩するのはこの際どうでもいいんだけど、私と風呂に入る権利を巡っての戦いって何。
一周回ってお前ら仲良いんじゃね?
「……Aちゃんもたいへんなんだな」
「ほんとにな。さとりひらきそうだわ」
こんな逆ハーレム望んでねーぞ、仏さんよ。
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あ(プロフ) - いつまでも続き待ってます。 (12月22日 23時) (レス) id: 2607c1000c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 尊い、、、むり、、、これは尊すぎる好き (9月28日 1時) (レス) @page23 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 好きです!これからも無理せず頑張ってください!更新を楽しみにしてます (8月12日 15時) (レス) @page23 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
黒谷桃里(プロフ) - ウッッッッッ!!!!めちゃくちゃ好きです!!!!可愛い…… (7月11日 2時) (レス) id: eae39e15db (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - もう更新はしないのでしょうか? (5月18日 23時) (レス) @page23 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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