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言葉。 _kwmr ページ17





私は文を書くのが好きだ。

自分の気持ちを自分の言葉で表せることができた時、

私は自分の居場所がどこだか分かった気がした。


そんなことを思うのだから、ある程度の言葉は身に付けてきたつもりだ。

だが、彼だけはどうしても、私が持ってる言葉たちでは表すことが出来なかった。

彼はいつも不思議なオーラを放っていた。

不思議、などと抽象的なものはあまり好きではないが、

彼に当てはまる言葉が見当たらない。

私もまだまだ修行不足だと実感する。

私の目標が、いつの日か彼を表す言葉を見つけることになっていた。

私はそれはそれで楽しかった。

彼のことを知りたいと、そう思った。

彼のことを知れれば、目標を達成できると、思ったから。

でも私は段々、見つからなくてもいいのにと思うようになった。

それはきっと、彼と話せなくなることが嫌だと感じるようになっていったから。



いつの間にか、彼に惹かれている私が居た。



彼も詩的表現をする人だった。

私では持ち得ない言葉を彼は持っていた。

だがそのおかげで、私はたくさんの言葉たちを知ることが出来た。




でも、彼から貰ったわけでも誰から貰った訳でもないのに、

私の持っている言葉たちの中に、


好き


がいた。

その子だけ違った。

他の子より大きく、

そして何個もあった。

全て 好き のはずなのに、

全員色が違った。

その中で桃色だけは分からなかった。


彼女が持つものを私はまだ理解出来ていなかった。




私はこの前、やっと理解したんだ。

彼女が秘めていたものを。


そこから世界が変わった。

彼を見る度に胸が弾んだ。

笑顔を見る度に時が止まった。

想い人のことを話す彼の顔を見る度

胸が苦しくなった。




『私にしてしまえばいいのに』




様々な言葉を身につけてきたとは思えない真っ直ぐな気持ちが口から飛び出した。




それが彼に届けば、どれ程良いだろうか。






『河村さん、』


『私から見た貴方は』


『とても魅力的な人です。』




_私から見た貴方は

魅力的に見えていますよ。

魅力的だと思ってますよ。



ダメだ、やっぱり、


私は貴方を


言葉で表せない。


表す前に、


私の中にある“好き”が溢れようとしてしまう。





そんなことも気付かず貴方は、



「ありがとうございます」



と紅く染まった頬で言うのだ。

…→←作者。 _ir



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設定タグ:短編集 , QuizKnock , 悲恋   
作品ジャンル:恋愛
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フェレット(プロフ) - いろさん» してみたされてみたシリーズのkwkmさん良かったです、私も優しくしていろさんを泣かせたいと思います() (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 皆様が優しすぎて泣きそう (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - いろさん» いろさまさまです!気長に待ってますね! (2020年1月19日 18時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - いろさん» 凄く良かったですよ!またリクエストさせていただきます。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます…が私のペースになってしまいますが必ず全て書きますのでお待ちください…! (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いろ | 作成日時:2020年1月11日 23時

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