言えるわけない。 _kwkm ページ13
「なぁ、結局Aの好きな人って誰なん。」
『…まだ聞く？教えないよ。』
「なんで教えてくれんの？」
『いや、それは…』
本人が目の前にいたら言えないでしょ。
『聞かれたりしたら怖いじゃん。』
なんて、言えないけど。
「じゃあ放課後、二人っきりになったら教えてや」
『嫌だ』
二人っきりとか私の心臓が持たない…
「そんなに俺信用ないん？」
『信用してないわけじゃないけど…』
「…じゃあなに。」
『私だけ教えるのは不公平じゃん。』
「…俺も教えろって？」
『…うん。』
私は別に知りたいわけじゃない。
ただ、じゃあいいやってなって欲しいだけ。
…少しだけ、知りたいけど。
「ん…まぁ、ええよ。」
『…は？』
「はってなんや。」
『え、諦めて欲しかっただけなんだけど。』
「…は？」
『川上もはっていったわ。』
「うるさ、どんだけ知られたくないねん」
『…知られたくないに決まってるでしょ』
「…なんで。俺と仲良いやつ？」
『知らない。もーなんもきかないで…』
「…わかった。」
と、そこに、私の恋を知っているやつが来た。
「お、川上と喋ってんの？」
『もお、なんの用？』
「べっつにぃ〜？」
そしてそいつが近づいてきてこそっと一言。
「好きな人と喋れてよかったじゃん」
『は…』
「んじゃ、もうすぐ授業だから〜」
そんな事言われたらもっと意識しちゃうじゃん！！
「…なんていわれたん。」
『…気にしないで。』
「…んだよ。」
『え？』
袖を引っ張られ上目遣いで見つめられる。
「隠し事ばっかやん。せっかく仲良くなれたと思ったんに俺だけやったん？
なんでもない気にしないでって、そんなん、そうですかって引けるわけないやろ。
俺だけ除け者みたいやん。
…あいつは知ってるん？」
あまりの気迫に素直にこくこくと頷いてしまった。
「…そう、あいつには言えて俺には言えないことなん。
俺とあいつの何が違うんよ。
…おかしいやん、そんなん…」
『言えるわけないでしょ…』
「なんで…」
『授業始まるよ、前向いて。』
ごめん。
どうしたらいいか私にはわからない。
わからないから、せめてもと、顔が見えない今、1枚の紙を彼に渡した。
“好きな人に言えるわけない”
顔が真っ赤になった彼が振り向くまで、後、5秒。
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フェレット(プロフ) - いろさん» してみたされてみたシリーズのkwkmさん良かったです、私も優しくしていろさんを泣かせたいと思います() (2020年1月19日 18時) (
レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 皆様が優しすぎて泣きそう (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - いろさん» いろさまさまです！気長に待ってますね！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - いろさん» 凄く良かったですよ！またリクエストさせていただきます。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます…が私のペースになってしまいますが必ず全て書きますのでお待ちください…！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろ | 作成日時：2020年1月11日 23時
