Agapanthus (ページ9)

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･TH

思ったより簡単だった。

警戒心が元から無いんだろうね。

そんな子がちょっとやそっと周りを気にしたくらいじゃ無駄だよ。

YG｢やぁ、テヒョンア、力が強すぎたんじゃないか。｣

TH｢ナムヒョンがやるよりマシ。｣

ジンヒョンとAが住むマンション。

俺たち七人は仕事が終わってすぐここに来た。

目的は……Aともう一度話すこと。

ジョングガに横抱きにされているのはいまさっき俺がハンカチに染み込ませた睡眠薬で眠っているA。

JN｢……入ろうか。｣

キーカードをかざして少し時間がかかってしまった。

もう一度閉ざされたロックをAの手から落ちたキーカードを手に取ってかざして解除する。

みんな、これが異常だって分かってる。

だけどそれと同時に……今からAの部屋に入るんだって興奮が止まんないの。

だから冷静さや理性は一度頭の片隅に置く。

JK｢かわいい。｣

ジョングガのマスク越しでもわかる笑みにゾッとする。

光の無い目はAを捉えていた。

ていうかずるい、俺もできるならハンカチで口押さえる係じゃなくてお姫様抱っこ係がよかった。

でもまあこの案思いついたの俺だし仕方ないか。

部屋の中に足をすすめていくとふわっと香る香水の匂い。

これってスポンサーの香水じゃないよね。

CMで売ってたのと匂いが違う。

JN｢寝室を探そう。｣

JM｢ヒョン、気が早いよ。｣

JN｢バカ！眠ってるAを寝かせるためだよ！｣

まだまだ、我慢。

一方的な愛には賞味期限がある。

俺たちの方にきてくれないと。

溺れてくれないと、困るから。

ジンヒョンの部屋と間取りが似てた。

まあ同じ階だしそうだろうね。

JK｢ヒョン、俺こんなの持ってきたけどどう思います？｣

そう言ってマンネが取り出したのはどこで買ったのかよく分からない太めの紐とか手錠とか……

HS｢わあ、すごいね。｣

目を光らせてるホビヒョン怖すぎる。

JN｢テキトーに……いや、優しく縛っといて。｣

JK｢ジミニヒョン、手伝って？｣

JM｢しかたないなぁ。｣

そう言いながらウキウキのジミナ。

寝室に消えた二人を放って、部屋の中を見回しているナムヒョンとユンギヒョン。

NM｢ほんとに物がなにもないな。｣

YG｢どれだけ雑誌を読み漁っても趣味とか得意なこととかなんにも情報が掴めない理由はこれか。｣

ちょっとつまんないな。

まあいっか、これからもっと楽しくなるだろうし。