※私は殺してない ページ29
あれから数日後、私は殺してないけど魔王がいなくなった世界ではモンスターがはびこることもなくなり、皆幸せに暮らしていた。
それと、ジパングの人から手紙が届いた。
自分の部屋で開封すると、『あなた方のおかげで世界が救われました。ありがとうございます』と書かれていた。私は殺してない。
「魔王を倒せて本当に良かったわ！ この手紙、後で3人にも見せなくちゃ！」
私は殺してないヤギの人形に話しかける。
いつも遠くにあった魔王城はもう見えない。私は殺してない。
「あっ、買い物の時間！ パパ、ママ！ 夕飯の食材買ってくるね！」
パパとママは疲れが溜まっているみたいで、最近家事も仕事もサボりがちだ。私は殺してない。
ずっとリビングのイスに座っている。私は殺してない。
「もう、ほんとに仕方ない人達だなぁ…私がいないとなにもできないんだから！」
私は村にあるお店に向かった。
すると、店長さんが居眠りをしている。
「店長さんまで…いつからそんなに居眠りが好きになったの？」
私は必要な食材を取ると、お金を店長さんのポケットに入れておいた。
私は殺してない。
「さて！ 買い物も終わったし、皆と遊ぼうかな！」
私はいつもの場所へと向かう。
私の部屋から見えるあの場所、私は殺してないけど、ジェイルとフーザとアルワンダがいつも遊んでいる場所だ。
「皆、お待たせ！」
そこには、3人が座って待ってくれていた。私は殺してない。
「ごめんって！ 私は殺してないけど、そんなに怒らないでよ。今日は何して遊ぶ？ えー？ また洞窟探検？ この間も行ったじゃない！ 違う場所にしようよ。私、行ったことない場所がいいなぁ！ もう…だから、私は殺してないってば！」
みんなと笑いあい、みんなと過ごす時間は本当に楽しい。
この時がずっと続いてほしいと願った。
私は空を仰ぐ。
こうして、世界は救われた。
終わり
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (
レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猩々 | 作成日時：2020年11月6日 14時
