第16話 ページ17
「はぁ〜、ビックリしたぜ。あんなでけぇ敵と戦ったの初めてだ」
ジェイルが粉々になった金属を見つめながら呟く。
フーザが回復魔法をかけながらジェイルに微笑んだ。
「こいつ、強かった?」
「全然! ただちょっと疲れただけだ」
ジェイルは汗を拭きながらニッと笑う。
頼もしい勇者様だ。
街へ入ると、ジパングの人々は驚いた顔で私たちを見ている。
ジェイルは隣にいる私にこっそりと耳打ちした。
「おい…俺ら、歓迎されてねーのかな?」
「そんなことない…と思うけど、なんでだろ」
私達が首を傾げていると、遠くからバタバタと足音が聞こえてくる。
50歳くらいの男が、これまた驚いた顔でこちらへ走ってきた。
「貴方たち! 旅の方ですかな? も、もしかして外にいたロボットを倒したのは…」
「おう、俺たちだぜ」
ジェイルの言葉を聞いた瞬間、男の口があんぐりと開いた。
「た、倒した!? あれを!?」
「…あの、何かいけないことでしたか?」
私がたまらず口を挟む。
すると男はポツポツと話し始めた。
数ヶ月前、大勢のモンスターがジパングを襲ったらしい。
なんとか追い払えたものの、かなりの被害が出てしまった。
そのため、この男(ジパングのお偉いさんらしい)と学者が力を合わせ、モンスターが入ってこられないようにとロボットを造ったのだという。
私は慌てて頭を下げる。
「ごめんなさい! なんとかもう1度造り直しますので….」
「いやいや、大丈夫ですよ。貴方たち勇者でしょう?いかにも強そうだ。 魔王を倒してくれればそれで解決ですよ。
…ところで、今日はなぜこのジパングに?」
「ありがとうございます。実は、この街に勇者の力が眠っているとお聞きしまして…」
「ああ、なるほどねぇ。ここには古くから伝わる寺があるから、そこが関係しているかもしれません。案内しましょう」
私達は男の後に着いて行った。
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猩々 | 作成日時:2020年11月6日 14時