20 負けられない ページ21
「そんなもんかい？」
今までの戦い方が通用しない。
ピカチュウの体力はただ奪われていく。
焦る。どうしよう。
「A！しっかり！」
アセロラちゃんの声が聞こえる。ダメだ、しっかりしろ、私。
「ボケっとしてんじゃないよ！」
ゴルバットが攻撃をしかける。私は冷静に考える。トレーナーの緊張はポケモンにも伝わる。前々から言われてきたことだ。
「アイアンテール！！」
「それはさっきも…」
さっきと同じ流れ、そう言いかけたのだろう。
「地面を殴って！！」
「は？」
鉄の尻尾は強く地面に叩きつけられ砂埃が舞い上がる。ピカチュウは目の前にいる。ゴルバットの位置も確認出来る。
「吹き飛ばしな！」
プルメリさんはゴルバットの翼で砂埃を吹き飛ばす。その隙が私の狙い。
「10万ボルト！」
砂埃が消えた時、既にピカチュウの準備は出来ている。
「ゴルバット！」
地面に落ちたゴルバットは戦闘不能。勝てた。アセロラちゃんとハウ君も隣で頑張ってる。まだきっと手持ちはいるはず。油断は禁物だ。
「…チッ、エンニュートいきな！」
ピカチュウはまだ行ける、とやる気は満々だ。
そういえば、ヨウ君が居るんじゃなかったっけ…？
ーーー
「…あんた、たいしたもんだよ。ま、子供相手に手間取るのもわかる強さか。」
エンニュートとピカチュウの戦いは、両者同時に倒れて勝負が決まった。
「ただポケモンを返してほしければあんた一人で来るんだ。ボスがお待ちかねなんだ。ポータウンのあたいらのアジトで！」
そう言うとプルメリさんはしたっぱを連れてその場を去った。
「うぅ…負けちゃいけない勝負は楽しくないよー…」
悲しそうな顔のハウ君に、私は頷く。
「ねぇみんな！大丈夫！？」
アセロラちゃんが慌ててエーテルハウスに入る。私達も後を追いかける。
「ヤンちゃん…」
中に入ると、女の子が泣いていた。ハウ君の足を噛んでいたヤングースがスカル団に盗られたという。
「許せない！というかスカル団の割に頭いいことしちゃって！」
それは少し思う。
リーリエちゃんの隣で、ヨウ君が帽子を深くかぶり、俯いていた。
「ごめん…俺が居ながら…」
お兄ちゃん強かったよ、頑張ってたよ、と男の子は言う。3対1はヨウ君でも厳しかったようだ。それに、守るものも多かっただろうし…
「…大丈夫だよ、ヨウ君は悪くないよ。」
「…ポケモン返して欲しかったらA一人でポータウンに来いって…あいつら言ってたよね…」
一人で…かぁ…
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アオ - 新しい話ありがとうございます！何だろう、かなりシリアスな感じな筈なのにこのほのぼの感...。ハウ君とヨウ君は癒し系なのかな...？本当にこの2人のやり取りは大好きです！ (2019年7月14日 16時) (
レス) id: 8667d85b1f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - わぁあ！更新待ってました…！とても好きな小説なので今か今かと楽しみにしてました！mintoさんの生存確認ともに出来て良かったです！ぜひ体調にお気をつけてこれからも頑張ってください！！ (2019年6月30日 22時) (レス) id: 82351da6a8 (このIDを非表示/違反報告)
minto(プロフ) - ユリさん» 大変お待たせ致しました…！応援ありがとうございます！ (2019年6月30日 19時) (レス) id: 202178676a (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 続き気になります。更新頑張ってください (2019年6月12日 18時) (レス) id: 2e6c718a02 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - もちろんこれからも応援させていただきます！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: c3f27a3751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minto | 作成日時：2017年12月5日 23時
