【ポケモンSM】君と出会えた喜び 3【ハウ】

16 君が心配で ページ17

…A、この試練大丈夫かな？ゴースを見ただけであの反応…おれ心配だよー…

「…大丈夫ー？」

「ハウ君助けて…腰抜けた…」

…好きな子から助け求められるのなんか嬉しいな…
Aを起こして、落ち着かせる。ジュナイパーも心配そう。

「…ピカチュウ…？」

「え？」

Aはベルトコンベアーの先を指差す。ピカチュウなんていないけど…

「ハウ君、こっち…」

ガッチリおれの手を掴んだまま歩き出すA。ジュナイパーとロトムも後を付いてくる。

「…びゃあっ！！」

「うわぁ何ー！？」

Aの変わった悲鳴に思わず驚く。前を見るとショッピングカートがガタガタと激しく揺れてる。

「あれもポケモンだよー！さっきのゴースと一緒だよ！」

「ハウ、もう1回Aの腕を抑えてほしいロト！」

ロトムに言われた通りAの腕を抑える。
…さっき抑えた時、暗かったから良かったけどシャッターで明るくなった時に見えたAの顔真っ赤だったな…

「…ゴーストだ…じゃあ…次はゲンガーとかかなー？」

「げ、ゲンガーなら…あ…」

ピカチュウだ、とAが何かを追いかける。おれ、ちょっと怖くなってきたんだけど…

「…いっ…びゃあああああっ！！」

「A！？」

ふわふわと宙を浮くぬいぐるみ。そのぬいぐるみがおれ達に向かって飛んでくる。

「いやーっ！！むり、むりだってむりーっ！！！」

「あ…待ってAっ！！」

…どうしよう、Aが走ってどこかに行っちゃった…ジュナイパーはちゃんとAについて行ったみたいだけど…

「…あ、ゲンガー…」

意地悪そうに笑うゲンガー。悪戯が好きなんだっけ？

「あの子が君の写真を撮れないとダメなんだよー…」

そう言うとゲンガーはどこかに消えちゃった。床に落ちたぬいぐるみを拾って倒れている棚の上に座る。

「…A…」

不安で胸がいっぱいだ。探したいけど、どこかですれ違っても困る。狭いようで広くて、足元も危ない。怪我とかしてないといいけど…

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