４日目〈安穏〉 ページ47
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阿部ちゃんが顔を伏せてしまって、話しかけることすら拒否された気がして一人で落ち込む。
しばらく無言で待っていれば、
舘さんを負ぶった照がようやく合流した。
fk「舘さんどうしたの、」
iw「簡単に言えば、怪我と熱。病院向かいながら話すよ」
阿部ちゃんの隣に舘さんを寝かせた照は運転席に乗り込み、そのまま発進した。
ふと、バックミラー越しに後ろの様子を窺うと、
阿部ちゃんが伸ばした手を舘さんが握るところで。
ーー舘さんには、自分から手を伸ばすんだ...
そんな、落胆とも嫉妬とも取れる負の感情が湧いてきて、慌てて目線を外す。
落ちた気分を誤魔化すように深く座り直した。
iw「ふっか、」
fk「...ん？」
iw「過ぎたことは考えても仕方ないよ。確かに、俺らは選択を間違えちゃったかもしれない。でも間違いには気付けたんだから。これからどうするのか、そっちの方が大事でしょ」
前を向いたまま、
なんてことないみたいにそう言ってくれた照。
ストンと心に落ちてきたその言葉は妙に俺を落ち着かせた。
fk「、ありがとう。健くん、なんて？」
iw「守ってやってほしい、って。...舘さんね、熱も高いし、足に酷い怪我してた。ずっと阿部を守ってくれてたんだよ。一人で、ずっと」
話をする照の、悲痛な表情を見れば分かる。
きっと俺が想像するより酷い状態なんだろうって。
健くんは多分、俺が取り乱したから。照にだけ直接話してくれたんだと思う。
fk「...大丈夫だよ。俺らなら、大丈夫」
iw「......うん、そうだな」
ついさっき励まされた俺が、今度は照を励ましてる。
そんな状況がなんだか可笑しくて、思わずふはっ、と笑いを溢すと、照も「なんだよ」と笑った。
もう一度ミラーを見上げれば、繋いだ手はそのままに、穏やかな表情で眠りにつくだてあべの2人。
照も同じように後ろの様子をを窺っていて、
微笑ましい2人の寝姿に、照と顔を合わせてまた笑った。
まだ解決しなければならない問題はいくつもある。
それでも、
和やかな時間がいつまでも続けばいいのに、と願わずにはいられなかった。
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苺(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！次回更新たのしみにしております、お身体にはお気を付けてくださいね(*´-`) (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 2b505c53ee (このIDを非表示/違反報告)
azuvixx(プロフ) - さっくんの優しさが現れる作品だなと思います。凄く続きが楽しみです！ (2019年11月24日 11時) (レス) id: 06f1cacbb4 (このIDを非表示/違反報告)
月の兎(プロフ) - 初めまして。まさかブイの面々が出てくるとは思いませんでした。ぶいすの担の私歓喜です（笑）続きも楽しみにしております！ (2019年11月21日 23時) (レス) id: 9b6fe057d4 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが気になります。 (2019年11月18日 9時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
美福(プロフ) - 更新の通知が来る度に凄く嬉しくてウキウキして見ています！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってくださいね！ (2019年11月17日 13時) (レス) id: 9e6bdd0fef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2019年11月11日 21時
