3日目〈着信〉 ページ25
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ーーヴヴヴヴ…ヴヴヴヴ…
部屋の隅でみんなの動向を伺っていると、ポケットで震えた携帯。
連続する振動で、着信だと悟る。
ab「…ごめん電話」
dt「誰から?」
舘さんの質問に、スマホを取り出した。
画面に表示されていたのは知らない番号。
まあでも出ないわけにはいかないか、と思って出れば、
聞こえたのは、
男〈亮平くん、もう大丈夫だよ。戻っておいで〉
ab「っ…!!」
恐怖でスマホを落としそうになった手を舘さんが支えてくれる。
舘さんにも声が聞こえたようで、顔を顰めてた。
ab「もう大丈夫、って……?」
男〈あの佐久間って男に連れ出されちゃったんでしょう?あいつには罰を与えたから。もう大丈夫だよ〉
衝撃的な言葉を至って真面目な声で話す男に、恐怖よりも怒りよりも、罪悪感が押し寄せる。
俺のせいで、佐久間が…?
俺が逃げたから…?
ab「佐久間は関係ないのに…っ」
男〈亮平くんが僕の元に戻らないなら、別の誰かを見つけるだけだよ〉
ab「えっ…」
男〈なるべく綺麗な顔立ちの子がいいなぁ...渡辺くんとかどう思う?ラウールくんも若くて美しいよね...〉
翔太やラウールの名前に、俺も、隣の舘さんも、唇を噛み締めた。
メンバーを巻き込むわけには行かない...
dt「待てっ、メンバーには手を出すな…っ」
男〈あれ?宮舘も居たの?ちょうどいいや、2人で来て。じゃないと、目黒くんとか、岩本くんとか、…〉
ab「分かった…行く…行きます、から…」
dt「…っ、」
男〈ふふっ、じゃあ待ってるね〉
プツンと通話が途切れた瞬間、全身が震えた。
思わず脱力しそうになったところを何とか踏ん張って、自分の荷物をかき集めた。
mg「阿部くんどうしたんすか?」
fk「電話、誰からだったの?」
iw「……舘さん?」
みんなと目を合わせられない俺の前に舘さんが立った。
dt「俺ら用事あるから。だから、佐久間のお見舞いよろしくね」
nb「おいちょっと待てよ、」
dt「…なに、」
nb「お前ら昨日から変だよ。俺らのこと避けてるし、謝ってばっかで肝心なこと話してくれないし、何なんだよ!」
dt「……ごめん、」
nb「だから、!」
翔太を振り切って歩き出した舘さんに腕を引かれて控え室を出た。
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苺(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます!次回更新たのしみにしております、お身体にはお気を付けてくださいね(*´-`) (2019年12月8日 12時) (レス) id: 2b505c53ee (このIDを非表示/違反報告)
azuvixx(プロフ) - さっくんの優しさが現れる作品だなと思います。凄く続きが楽しみです! (2019年11月24日 11時) (レス) id: 06f1cacbb4 (このIDを非表示/違反報告)
月の兎(プロフ) - 初めまして。まさかブイの面々が出てくるとは思いませんでした。ぶいすの担の私歓喜です(笑)続きも楽しみにしております! (2019年11月21日 23時) (レス) id: 9b6fe057d4 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが気になります。 (2019年11月18日 9時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
美福(プロフ) - 更新の通知が来る度に凄く嬉しくてウキウキして見ています!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってくださいね! (2019年11月17日 13時) (レス) id: 9e6bdd0fef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おれんじ | 作成日時:2019年11月11日 21時