頼れる人（リクエスト） ページ27
.
グループとしても、事務所としても、唯一の女性アイドル。
いわゆる紅一点と呼ばれるうちのメンバー。
ちなみに俺(と、ふっか)の同期でもある。
男社会にただ1人、
孤軍奮闘する彼女は自分の限界を分かってない。
......というか、限界があっちゃいけないと思ってる。
挑み続けないと、
頑張り続けないと、
女の私は横に並ぶことすらできないから。
そう話すのを聞いたことがある。
ab「A、疲れてる？」
『だいじょぶ、』
新曲の振り付け中、いつもより覚えが悪いAに声をかけても、帰ってくるのはヘラリと力ない笑み。
またそうやって...
ab「嘘つき。また無理してるくせに」
『......してないもん』
ab「可愛くないから」
ひどっ、という文句を無視して額に手を伸ばす。
前髪を押し上げて手の甲を当てれば、それなりの体温が伝わってきた。
運動していただけにしては明らかに高いとすぐに分かる。
『ねー大丈夫だってばー』
ab「いいから一回休んで」
腕を引いてソファに向かえば、文句は言いつつも素直に付いてくるA。
やっぱりしんどかったんじゃん。
元気なら抵抗するくせに。
mg「Aちゃん調子悪かったの？」
iw「マジ？ わりぃ、全然気付かなかったっ、」
ほらね、感の鋭い目黒でさえも気付かないんだよ。
この子は隠すのが上手すぎるんだ。
続けて、とアイコンタクトで伝えれば、
分かった、と頷きが返ってくる。
再び音楽が流れ出すのを背中に聴きながら、ソファに座って項垂れるAに向き合った。
ab「朝から熱あったの？」
『...っ...分かんない、』
ab「そっか。だいぶ辛そうだね、横になる？」
『いやっ、』
否定するために軽く横に振っただけで頭が痛んだらしい。
キュッときつく目が瞑られた。
身体を倒そうと肩に触れた手を押さえられる。
『横になったら寝ちゃうっ...』
ab「あのねぇ...」
『お願いっ、新曲の間だけっ、』
他にもやることがあるから、今日で新曲を完成させる訳ではないけれど。
それでも大事な曲は疎かにしたくないみたいだった。
ab「......分かった。その代わり、その後はちゃんと寝てて」
ん、と素直に頷くのを確認して、俺はみんなの輪に戻った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1775人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんな(プロフ) - 毎話楽しく読ませて頂いてます！！アノネーストーリー分かりますよ！！柊真くん今でも大好きなのでお話で読めて嬉しかったです！ (2019年12月5日 21時) (
レス) id: 4952c57afa (このIDを非表示/違反報告)
黒雪 冬華(プロフ) - デビュー曲のお話もありがとうございます！すごく素敵でした！SixTONESとの差別化？というか色の違いを出すならジャニーズ感を出してくるだろうと思ってたので、お二人で嬉しかったです(●´▽`●) (2019年11月27日 23時) (レス) id: 4eb5adcd65 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 美紀さん» こちらこそリクエストありがとうございました。またぜひ、リクエストお待ちしております。 (2019年11月21日 11時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - りっかさん» コメントありがとうございます！関西担の方にも楽しんでいただけてることをうれしく思います！また読みにきてください。あわよくば、リクエストもお待ちしてます(笑) (2019年11月21日 11時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 弥生さん» リクエストありがとうございました！お待たせして申し訳ないです(汗) ぜひぜひ！むしろたくさんリクエストいただけると嬉しいです！(笑) 今後ともよろしくお願いします！ (2019年11月21日 10時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おれんじ
| 作成日時：2019年10月31日 16時
