EP.8-3 ページ27
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MALTが逃げた先には、丁寧な手つきでグラスを磨くTENDERの姿があった。チラリ、と顔をあげたものの、何も言うことはなく、話に加わる気はないらしい。
真都の視線に気付いた、逃げたはずのMALTが駆け戻ってくる。
橙「TENDERはやめときっ」
白「？ うん、」
紫「…TENDERとRAMU、あとはDOGとCRAYもかな…その辺は、やめておいた方がいいね」
白「…わかった」
LONEの話を思い出す。「死別した奴もいれば、愛されなかった奴もいる」と言っていた。きっと今忠告された人たちは後者なのだろう…と予想していたとき、
階段から床の軋む音が聞こえた気がして目を向ける。
橙「お、話聞けそうな人が降りてきたで〜」
桃「ん？俺？」
MALTに手招きされたANNIEが軽快な足取りで駆け寄ってくる後ろでは、寝ぼけ眼のDOGが席に座るなりカウンターに項垂れて動きを止めた。
TENDERが頭を小突くと反応は示すが、身体を起こしはしない。
桃「何の話してたの？」
橙「俺らの本当の名前の話や」
――ｶﾞﾀﾝｯ、
赤「…DOG、危ないよ」
MALTの言葉に、ANNIEよりも早く反応したのはDOGだった。あんなに微動だにしてなかったはずが、身体を起こし、高さのあるカウンターチェアからずり落ちそうになっている。
動揺した表情のDOGには、カウンターに並んだグラスを押さえたTENDERの小言も聞こえていないようだった。
橙「安心せえ、DOGには聞かへんって」
青「……お前は」
赤「DOGが許さないと思って」
青「当たり前。お前の思い込みは厄介なの」
イマイチ核心を掴めず真都が困惑していると、ANNIEがその微妙な空気を断ち切るように手を叩いた。
桃「しょーがないから教えてあげよう！」
白「え？」
桃「俺の本当の名前は、佐久間大介。まあでも " 大介 " なんて呼ばれた記憶がないから、俺は " 佐久間 " って呼ばれないと反応できないんだけどね！」
寂しい話だと思った。でも、本人が明るく話すのであれば、深追いは良くないとも思った。
白「…呼んでもいいの？」
桃「LONEが許可したなら好きにすればいいと思うよ」
白「じゃあ…佐久間くんで」
桃「あははっ、久々に呼ばれると痒いね(笑)」
せやんな⁉ と同調するMALTと騒ぎ始めたANNIEには、闇など一つもなさそうなのに。
紫「人は誰でも闇の1つや2つ持ってるもんよ」
思考を読んだかのようなその言葉に、真都は唇を噛み締めた。
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aya(プロフ) - eighterなのでパッチ懐かしくなりました！！世界観とかすごいです！続きも気になります、、 (2020年9月19日 18時) (
レス) id: 21fa8df380 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - (名前)vividさん» 普段おちゃらけてる人が真剣な話をしているところが好きなんです(笑) 今後もパッチさん出てくる、…かも？乞うご期待！ (2020年8月31日 12時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)vivid(プロフ) - ここに来てGUMの言葉深いわぁ。元々のパッチのメンバーとの繋がりもまた嬉し（≧∇≦） (2020年8月16日 6時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - さっちいさん» ご指摘ありがとうございます！他にも誤字脱字等もあるかもしれませんが、ぜひ作品を楽しんでいただければと思います…！(^^;) (2020年8月9日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - コメント失礼します。設定の阿部ちゃんの所、 常にラムネを持ち歩いてお里 となっていますが、 持ち歩いており の間違いだと思います！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9ffff271c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月11日 18時
