EP.… ページ24
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人気のない地下駐車場に一台の黒塗りの車が静かに滑り込んでくる。他の車が好んで停めない隅のエリアで動きを止めると、運転席に座る男は周囲を警戒するように見渡した。
コンコン、と窓ガラスを叩く音に目を開く。
「遅かったな」
「こんな辺鄙なところ選ぶからです」
「それはそれはご足労様です」
「……。で、情報は」
ニヤリと笑った運転席の男は助手席に無造作に置かれていた茶封筒を手渡した。
「……相変わらず仕事は優秀ですね」
「そりゃあ金の分はきっちり働かせてもらいますよ」
「金にしか目がない人の方が案外信用できる…ですか」
「ははっ、確かに裏切るもんはねえな」
約束のものです、と渡された別の茶封筒の中身を確認した男は「確かに」と言いながら懐に差し込んだ。
用は済んだ、とばかりに踵を返した背中に声をかける。
「……何か」
「別の仕事でちょっとな。人を探してる。……ラウールっていう名前らしいんだが」
「知りませんね、そんな外人」
そうか、と呟いた運転席の男は「こういう顔の奴なんだが」と言って一枚の写真を相手に向けた。
「……、」
「……知ってるんだな」
「いえ、」
「情報屋に嘘は吐くもんじゃない。相変わらず口は達者でも顔は緩いヤローだな」
表情に出したつもりはなかった。だが、あらゆる情報を集めることを生業とする男には通用しなかったらしい。
どうするべきか…考えを巡らせる。
「……情報を買う相手は誰なんです？……逆に俺がその情報を買いましょう」
「へぇ、必死だな」
「……彼は俺らの獲物なんでね」
「その獲物に情でも湧いたか」
「……まさか」
頭はオーバーヒートしそうなほどフル回転しているのに、手足は冷え切って今にも震え出しそうだった。
「現生で払うにはちと高くつくぞ」
「……何が望みですか」
「アハハッ、さすが物分かりがいいじゃねえか。そうだな…お前らの情報でどうだ？ お前ら「S」の情報は同業に高く売れるんでな」
「……それで、…ラウール、は見逃すと？」
「金で動く俺たちの言動に他意はねえ」
仲間を売ることに躊躇いを見せつつも、一間を置いて頷いた相手に、運転席の男は満足そうに頷いて一枚のメモを差し出した。
「一週間後のこの時間、そこに来い。依頼主とそのラウールとやらの情報を渡してやる」
「……わかった」
走り去っていく車を見ながら、男はキツく手を握り締めた。
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aya(プロフ) - eighterなのでパッチ懐かしくなりました！！世界観とかすごいです！続きも気になります、、 (2020年9月19日 18時) (
レス) id: 21fa8df380 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - (名前)vividさん» 普段おちゃらけてる人が真剣な話をしているところが好きなんです(笑) 今後もパッチさん出てくる、…かも？乞うご期待！ (2020年8月31日 12時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)vivid(プロフ) - ここに来てGUMの言葉深いわぁ。元々のパッチのメンバーとの繋がりもまた嬉し（≧∇≦） (2020年8月16日 6時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - さっちいさん» ご指摘ありがとうございます！他にも誤字脱字等もあるかもしれませんが、ぜひ作品を楽しんでいただければと思います…！(^^;) (2020年8月9日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - コメント失礼します。設定の阿部ちゃんの所、 常にラムネを持ち歩いてお里 となっていますが、 持ち歩いており の間違いだと思います！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9ffff271c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月11日 18時
