EP.5-3 ページ16
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赤「――入っていい？」
1時間前。
部屋を訪ねた仲間を、LONEは平然を装って招き入れた。
実のところ、TENDERは最年長の変化に気付いている。気付いていて、触れるべきではないと判断した。
紫「……用件は？」
赤「これ、彼が着けてたリストバンドの中に」
紫「…………」
赤「……彼はちゃんと愛されてるんだね」
やっぱりだ、そうLONEは思った。彼は愛を知っている。この手が感じた温もりは間違いではなかったのだ。それがなぜ、こんな汚れた世界に来てしまったのか。
紫「わっかんねぇなぁ…」
赤「…あんまり思い詰めるんじゃないよ」
紫「ふっ…お互いな」
赤「………じゃあ、後で」
やりとりを強制終了し、逃げるように去って行く背中に後ろめたさを感じつつも、フォローするだけの余裕が今の自分にはない。
紫「母の愛…かぁ、」
丁寧でやわらかな女性らしい字。
守ってほしい、という言葉。
自分にはなかったものを目の当たりにして、やさぐれた。
でもだからと言って、彼や彼の母親をどうにかしようとは思わない。そんな八つ当たりみたいな真似、ダサいだけだ。
ただ、羨ましいとは、……思う。
紫「失礼しまー…す、……寝てるか」
あどけない寝顔に、少しは気を休めているとわかって安心する。
訳もわからず親と引き離されて、知らない場所にいて、知らない大人に囲まれて、怖くないわけがないのだ。……多分。
自身には欠落した感情に苦笑いをこぼしながら、LONEはゆっくりとベッドサイドへと歩み寄り、無防備に投げ出された青年の手をそっと掴んだ。
紫「……あっちぃな…やっぱり…」
熱があるとかそういうことではない。彼の持つ愛が熱い。
不意にギュッと握り返されたことに、驚いて伏せていた顔を上げる。起こしてしまったわけではないことに安堵した直後、
その口が紡いだ言葉に居た堪れなくなって立ち上がった。
白「……まま…」
紫「っ…」
白「……ごめん…なさい…」
握られたままの手を激しく振り払ったLONEは覚束ない足取りで後退り、茫然と青年の寝顔を見つめていた。
橙「……LONEさん？」
紫「…悪りぃ、TENDERの代理か？」
橙「おん。集会まででええから、って言うてもうたけど」
紫「それでも休ませられるだけ十分。それに納得しないのはDOGくらいだよ」
大丈夫か？というMALTの心配を軽く躱すと、何食わぬ顔で部屋を出たLONEは大きく息を吐いて自室に戻った。
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aya(プロフ) - eighterなのでパッチ懐かしくなりました！！世界観とかすごいです！続きも気になります、、 (2020年9月19日 18時) (
レス) id: 21fa8df380 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - (名前)vividさん» 普段おちゃらけてる人が真剣な話をしているところが好きなんです(笑) 今後もパッチさん出てくる、…かも？乞うご期待！ (2020年8月31日 12時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)vivid(プロフ) - ここに来てGUMの言葉深いわぁ。元々のパッチのメンバーとの繋がりもまた嬉し（≧∇≦） (2020年8月16日 6時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - さっちいさん» ご指摘ありがとうございます！他にも誤字脱字等もあるかもしれませんが、ぜひ作品を楽しんでいただければと思います…！(^^;) (2020年8月9日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - コメント失礼します。設定の阿部ちゃんの所、 常にラムネを持ち歩いてお里 となっていますが、 持ち歩いており の間違いだと思います！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9ffff271c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月11日 18時
