不在着信 (ページ24)

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二十四件：spoiled ページ24

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颯「なんでひらつの体育着着てるの」

「一緒にプール掃除してたら制服濡らしちゃって…」

颯「絶対プールサイドで遊んでただろ」

「正解！」

「あ、これ今日の課題、机に置いておくね」

ベッドから起き上がろうとする颯太

颯「痛ててっ」

「寝てな？安静にしてなきゃ」

「薬は飲んだの？」

颯「飲んでねえ」

「どこにある？」

颯「ここ、」

「どこ」

颯「ん」

「”ん”じゃ分からないです」

颯「目の前」

私と焦点を合わせようと目をぱちぱちさせる

「ん？」

颯「俺の特効薬」

私を指さして辛そうに微笑む

「……」

颯「そばにいて」

「私で治るならずっとそばにいるよ…」

颯「治してよ、ほら」

そう言って、シングルベッドに誘うように手を差し伸べた

「だめ、お母さん入ってきたらどうするのっ」

颯「入ってこないって保障したら一緒に寝てくれるの？」

「……それは」

颯「それは？」

「やめてよ、」

息を吐くように冗談を放つ

本気ともつかない言い方

颯「怒っちゃった？」

頭の中に黒田くんの笑みが思い浮かぶ

颯太はあの男と一緒じゃないって分かっていても

なんだか不思議ともやもやする

颯「俺は本気だよ、」

私はそのとき彼からの好意に少し気付いていた

だけど、聞こえてないかのように振舞った

「あー、お腹空いた！」

颯「A、」

颯太はそれほど強くない力で私の手を握りしめてきた

「そういうの女の子、勘違いするからやめた方いいよ…」

病人にこんなこと言って私最低最悪

颯「そうだよね、ごめんね」

「冗談、手貸して」

思わせぶりな態度なのか

それとも

颯太に気持ちが少し動いているのか

どっちか分からない

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颯太からの好意

安藤さん黒田くんの関係

檜山くんへ気持ち

今の私には整理がつかずにいる

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颯「お見舞い来てくれてありがとう」
　
颯「俺嬉しかったよ、」

プルル、

颯太の携帯の通知音が鳴る

安藤さん内村くん、体調大丈夫?

安藤さん心配だよ

内容を確認するも再び床に放り投げる

「メール返さなくて平気なの？」

颯「うん、大丈夫」

「後、マネージャー心配してたから連絡しなね」

颯「長居させちゃってごめん、駅まで送るよ」

「一人で帰れるよありがとう、お大事にね」

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