＊４７ ページ7
「A？」
「兄貴、違う。私は、兄貴が働いてなくても……多分、いつかはここに来てた」
「え？」
「……相葉さんがどんな場所で働いてるのかなって、きっと」
「……俺ぇ？」
相葉さんが、素っ頓狂な声を出した。
「相葉さん、理由はまだ、聞かないでください」
「え、」
「でも、そうだと思うの。だから、兄貴は辞めなくていい」
「A」
「好きなんだよね？この仕事。相葉さんが言ってた」
そう言うと、兄貴は立ちあがって、こちらを向いた。
やっぱり、声と同じで少しだけ情けない顔。
「兄貴、言いたいことはいっぱいあるけど……まずは松本さんに謝って」
「……」
「どんなことがあっても、暴力はダメだよ。ね、」
兄貴は、松本さんの方を向いて、「悪かった」って手を伸ばした。
松本さんはそれに掴まり、「すっげー痛い」って笑ってた。
兄貴と一緒に、頭を下げた。
巻き込んでごめんなさい。
私たち兄妹が、迷惑をかけてごめんなさい。
「……さて、もういいかな」
松本さんは、ステージから降りてカウンターに向かった。
そしてタオルのようなものを持ってきて「これ拭いておいてくんない」って。
あ、そうだった、ドリンクが。
「俺はもういらないよね」
「潤、待てよ」
「あ、翔くん。次の出勤はいつだっけ？無断欠勤したら、俺こそ殺すからね？」
言葉はキツいのに、松本さんの笑顔に心がぽわぁってなる。
兄貴、辞めなくていい。
あと数か月であっても、やっぱり最後まで全うしてほしい。
「もう俺はちょっかい出さないよ、Aちゃんに。だから安心して」
「松本さん」
「Aちゃん？成人したら、お客さんとして来てね、楽しみにしてる」
「……はい」
「あぁ、あと」
そう言うと、松本さんは私の耳元に口元を寄せた。
「キスだけは、ずっと二人だけの秘密ね」
そう、私にしか聞こえないように言って、ふぅ、とまた耳元に息を吹きかけられた。
「潤！」
「じゃ、戸締りよろしくね〜」
ヒラヒラ手を振って裏口まで歩いていく松本さんに、「……ありがとうございました」って、小さくお礼を言った。
強引で、ちょっと手が早くて、大人な人で。
でも、本当は優しくて私に色々なことを教えてくれた。
……松本さんとのキスは、何も知らない私には、刺激が強かった。
それは、私の後ろにいる二人には、決して言えないことだけど。
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cori(プロフ) - ともさん» ともさん〜！そうですね、どんな気持ちでいたんでしょ……相葉さんは優しすぎるんですよね、何でも…… (2019年9月21日 20時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - いやー切ない！切なすぎる(>_<)相葉ちゃん…どんな気持ちでいたんだろう？ (2019年9月21日 1時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - 翔成さん» 分かります私もサキちゃんとニノがお似合いだと思ってます…！一つお伝えしたいのはこの話はみんな優しいってことでみんながみんな他の人のことを考えてあげてる気がします…今回の相葉さんの言葉もそうなのか…それとも…また更新お待ちください笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - さら☆さん» さらさん葉担なのですね？！ふふ、確かに相葉さんは優しい、でも妹ちゃんのこととなるとちょっと黒相葉さんが出ている気がして…今回のことは優しさからなのかそれとも！まだまだ話は折り返し地点なのでこれからどう奪う？逆転？それともこのまま…お楽しみに笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» んふふ、そうですね…いつからなのか好きだったみたいです…相葉さんとどうなるのか…！もう全部頭の中にある身としては明かしたくてしょうがないです！笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年6月5日 18時
