検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:158,824 hit

*45 ページ5

本当に今更だけど、分かった。
私が、今まで兄貴を怖いと思ったことがない、それは全て。
「兄貴が、私にその一面を見せてこなかっただけ」なんだ。
相葉さんも、松本さんも、「私のことに関しては」兄貴が変わる、そう言っていた。
それはすべて、「私が何か危ない目に合う時」だけ。

だから……お母さんがこのバイト先を私にバラしそうになった時。
私が、未成年では入れないこの場所に来ないように、お母さんを咎めた。
キスマークの時だって、きっと、まだ未成年の私が相葉さんとソウイウコトをしたんじゃないかって、万が一のことがあったらって、想像して怒ったんだ。
タバコを私の前では吸わないのも、多分。

……うざいくらいシスコンだし、気持ち悪いなって思う事もあるけど、でも。
私は今まで、兄貴に守られていたんだ。

……でもね、兄貴。

「兄貴……話聞いて」
「いいよ、Aちゃん、俺が話す」
「え?」
「翔くん、ちょっと落ち着こ?雅紀、んー全員ノンアルでいい。何か作って」

すっと、首元にある兄貴の手を取った松本さん。
イスから降りると、ほんの少しだけ松本さんの方が背が高かった。

松本さんが、カーテンで隠されている部分を開けた。
そのステージには、私が先日見たような機材がたくさん。

相葉さんが、トレーに4つ、飲み物を持ってきてくれた。
私だけ、小さなコップ。
こそっと、「寒いでしょ。レモネードあったから」と言われたので見ると、ほんのり黄色なホットレモネードだった。

「雅紀ありがと。さて。あぁもう翔くん、立ってないで座ろうよ」

ステージに4人、円になって座る。
異様な光景。
隣に兄貴、相葉さん。目の前に松本さん。

「まずさ、Aちゃんがここに来たのは初めてじゃない。知ってた?」

そう松本さんが言うと、兄貴は目を見開きこちらを見た。

「A、どういうことだよ」
「Aちゃんは」
「潤に聞いてねぇ。Aに聞いてんだよ」

力強い目にじっと凝視されて、言葉が詰まる。
言わなきゃ。でも、それを言うには私のこの小さな恋心も話さないといけない。

「翔くん、俺が全部話すって言ったでしょ。その後、Aちゃんの話聞いて」

松本さんが兄貴を制する。
兄貴は不服そうにしながらも、「分かった」と言った。

「翔くんと雅紀のバイト先、あまりに翔くんが秘密にするから気になっちゃったんだよね?」

松本さんは、全てのことをボヤかして言ってくれた。

*46→←*44



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (429 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1304人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

cori(プロフ) - ともさん» ともさん〜!そうですね、どんな気持ちでいたんでしょ……相葉さんは優しすぎるんですよね、何でも…… (2019年9月21日 20時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - いやー切ない!切なすぎる(>_<)相葉ちゃん…どんな気持ちでいたんだろう? (2019年9月21日 1時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - 翔成さん» 分かります私もサキちゃんとニノがお似合いだと思ってます…!一つお伝えしたいのはこの話はみんな優しいってことでみんながみんな他の人のことを考えてあげてる気がします…今回の相葉さんの言葉もそうなのか…それとも…また更新お待ちください笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - さら☆さん» さらさん葉担なのですね?!ふふ、確かに相葉さんは優しい、でも妹ちゃんのこととなるとちょっと黒相葉さんが出ている気がして…今回のことは優しさからなのかそれとも!まだまだ話は折り返し地点なのでこれからどう奪う?逆転?それともこのまま…お楽しみに笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - ともさん» んふふ、そうですね…いつからなのか好きだったみたいです…相葉さんとどうなるのか…!もう全部頭の中にある身としては明かしたくてしょうがないです!笑 (2019年9月14日 16時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:cori | 作成日時:2019年6月5日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。