＊ ページ37
雅紀との毎日は、私には夢のような時間だった。
実家暮らしの私は、よく雅紀の家に泊まりに行っていた。
「A！」
「ん？」
雅紀が、私の座っているソファにポン！と乗ってきた。
「ねぇ、ここのお店美味しそう」
そう見せてくれたのは、私の会社近くのイタリアン。
スマホに映るそのお店は、小洒落た一軒家。
「本当だ。コースも素敵」
「記念日にここでお祝いとかよくない？」
「じゃぁ雅紀の誕生日のお祝いここにしようか？」
「おーっマジで！？」
「でもここ唐揚げないよ？」
「いつでも唐揚げ食べてると思わないでよ！」
私の頭をわしゃわしゃと両手で触る。
「やめてー！」
「やめませーん！」
「雅紀ー！ばかー！」
「ばかじゃねーし！」
ぐっとそのまま頭を雅紀の胸に寄せられて、「うっ」って変な声が出た。
「もー何？」
「んー？幸せだなーって思ってた」
「……えー？」
「Aは幸せじゃないの？」
胸から一度離されて不安そうな顔で聞かれた。
もう、その顔……
「んー？ふふ、幸せだよ？」
「……好き、A」
優しく抱きしめて、キスをしてくれる。
ふざけながらもいつも優しい雅紀が、本当に本当に大好きで。
そのイタリアンには、雅紀の誕生日前に下見も兼ねて行ったけれど、ランチが意外と安いのもあって週１くらいでお邪魔した。
私と雅紀の行きつけのイタリアンになった。
年末。
雅紀の誕生日も無事終わって、ただまだ年末の忙しさが終わってなかった時。
「……え？いえ、僕は送っていませんが……はい。確認します」
目の前の二宮が、眉間に皺を寄せて、電話を切った。
「どしたの？」
「いや、A社なんだけど、今の。うちからFAXが着てるけど紙詰まったからもう一回送ってくれって言われたんだけどさ、俺送ってねーしって」
「……え？」
「うちじゃねーんじゃねーの？ってな。確認してくるわ」
そう言って複合機に向かっていった二宮を見て、背中がぞわりとした。
私、さっき、B社にFAX送った。
でも、B社からはまだ受信をしたって連絡入ってない。
ここ、すぐ確認して連絡くれるのに。
「二宮っ」
すぐ追いかけて、複合機から送信履歴を印刷した。
私の送信した時間。その時間に履歴が残っているのは。
「A社……」
「え？どういうこと？」二宮が私の顔を見るけど、私は自分が起こしてしまった事態に、足がすくみそうだ。
「どうした？二人とも」
一番聞きたくなかった声が、真上から聞こえた。
「部長……」
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cori(プロフ) - Yuriさん» いつもありがとうございます！そろそろ帰国してほしいなーと思ってます笑 次移行しますのでもう暫くお待ちください！ (2019年6月4日 7時) (
レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！翔くんが帰国するお話が気になります！更新、待ってます！ (2019年6月4日 4時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - kaz2nsariさん» はじめまして、コメントありがとうございます！ニヤニヤしていただけたとのこと、とっても嬉しいです…！早く帰ってきてもらわないと、まだ書きたいことたくさんあるので…！また覗きに来てくださいね〜！ (2019年5月28日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
kaz2nsari(プロフ) - はじめまして！読ませていただきましたが、終始ニヤニヤが止まりませんでした！！翔くんがNYから帰ってきたあとのお話が気になります！！ドキドキ。。 (2019年5月27日 19時) (レス) id: f127e1252b (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - きみきみさん» こちらにもコメントありがとうございます！名前呼びをしてみました。仕事以外で部長と呼ぶとすこぶる怒ります笑 いつかのニノさんで言ってたことを言わせてみました。絶対履いてると思います笑 また来てくださいね！ (2019年5月22日 17時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年3月26日 19時
