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櫻井先生と二人、あの場所へ向かう。
教育実習の時は本当に忙しくて、それに櫻井先生じゃなく坪根先生が私の報告書とかも添削してくれていたから、櫻井先生と話す機会はほとんど無かった。
あの場所にも行けていない。
卒業式ぶりだ。
グギギ、あの音が変わってなくて心がホッとする。
まるで４年前にタイムスリップしたような感覚。
「俺なりに掃除したつもり」
そう言って先に通される。
埃臭さは少し落ち着いていて、変わりない櫻井先生の机に、もう一つだけ置かれた、以前は埃まみれだった机。
「そこ、その机使っていいよ」
ピカピカに磨いてある。
座ってみる。
櫻井先生の机は、私の右側。
なんだか櫻井先生の部下になったような気分だ。
「ようやくこの机を使ってくれる人が現れました」
「……ねぇ、でも先生？」
「何？」
「おつぼ……坪根先生が中学に回ったんだから、もうここに居なくてもいいんじゃないですか」
「おつぼ。ウケルー」
「真面目に話してください」
「はいはい。おっしゃる通り。でももうここの生活に慣れちゃったからなー」
櫻井先生も自分の机の椅子に座った。
何だか椅子がグレードアップしている。
ドラマで見る、社長室なんかのアレ。
そしてその椅子が何故だか似合う、櫻井先生。
「Aも来たことだし？ますます職員室には戻れねぇな」
まるで帝王のようにひじ掛けに腕を置いてこちらを見る櫻井先生に、心臓がゾワっとした。
「おいで」
櫻井先生のおいではいつも優しい。
その言葉に吸い込まれるように、自分の席を立ち、その新調された椅子に座る櫻井先生の元へ進む。
「乗って」
のって？
「どこに」
「ここ以外なくね？」
ポン、と櫻井先生は自身の太ももを叩いた。
は？
「何言って」
「先生に口答え禁止」
手首を引っ張られ、櫻井先生の胸に身体が倒れる。
「んしょ」って可愛い声がしたと思ったら、腰を持ち上げられた。
「なっ」
「かるー」
目の前の櫻井先生は、フハって笑った。
私学の適性検査だったり、この学校に採用される為の面接だったり、意外と普通の就活と変わらないようなことをして採用された私。
大学の友達との卒業旅行。
独り暮らしの為の引っ越し作業。
この半年くらい、とにかく忙しくて、ほとんど櫻井先生とも会えてなくて。
こんな至近距離で櫻井先生を見るのは、久しぶり。
「先生……」
「ん？」
「ただいま、櫻井先生」
「ん。お帰り、A」
久しぶりのキスは、甘く、蕩けるような、優しいキスだった。
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やっち(プロフ) - うわん。続きが読みたいです。帰ってきてください〜 (2021年10月30日 20時) (
レス) @page31 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» 本当にこんな事になってしまって、皆さん毎日を無事に過ごされることでいっぱいいっぱいですよね（涙）少しでもお役に立てればと思ってたのですが…半年後くらいには戻れたらいいなと思います！ありがとうございます…！ (2020年4月25日 0時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - coriさん» お返事ありがとうございます。そうだったのですね！こんな時ですし、お身体大事にしてください。。戻ってきて下さるの、いつまでも待っています！！ (2020年4月24日 23時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
cori(プロフ) - mayuさん» mayuさんお久しぶりです！いえ、11月の事も年始の事も当時はモヤモヤしましたが現在は大丈夫です。今回は私の体調面というか家庭の都合でいっときお休みをさせてもらうことにしました。書きたいけど書けない状況でして…また戻ってきます！その時はよろしくお願いします (2020年4月24日 12時) (レス) id: d86fdce482 (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - coriさん、私と同じで未だモヤモヤしてるのでしょうか？ただの憶測ですけど...私まだモヤモヤを払拭できずにいます。でもcoriさんの書くお話は大好きなので、いつかまたどんな形でも読める日を楽しみにしていますね！お互い乗り越えられるといいですね！ (2020年4月23日 22時) (レス) id: 862aa3f0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cori
| 作成日時：2019年7月28日 22時
