【小説】魔女達の魔導書記録 (ページ6)

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【Episode 5】wind 【エラ】ページ6

隊の顔合わせが行われるというこの部屋は、魔法でできた異空間。

なんて美しいところなんだろう。
こんな場所を作り出せるなんて羨ましい。

隊のメンバーで知っている人は少ない。
魔導志になって2年、いろんな人と知り合ったと思っていたけど、私が思っていたよりこの世界は広かったみたいだ。

みんなと上手くやっていけるだろうか。
そんなことを考えていると。

「あのー…」

急に声を掛けられた。
思いもよらないことに振り返ると、プラチナブロンドの綺麗な人が立っていた。
あ、でもちょっと目が揺らいでる。緊張しているのかしら。
もしかして、救済の城のルーナ・イロウエル…？一番隊で唯一同性の…。大人しい子？

「はじめまして！ルーナです！エラさんと同じ一番隊所属になりました！よろしくお願いします‼」

予想外だった。
すごく明るいじゃないか。

「え、ええ…よろしくね。」

思わず半歩ほど後ずさってしまっていた。
どうしよう。向こうに変に見えてないかしら。唯一同性の子なのに……！

「同じ隊とは、驚きましたね。」
「！？……なんだ、フェイか。腐れ縁ね。」
後ろから声を掛けてきたフェイに、そう言って少し微笑んだ。
やっぱり初の顔合わせだと、みんな話しかけて来るらしい。でも気づけない私は、もう少し周りを見るべきなのだろうか。
「さっき、若干緊張してたでしょ。」
「……昔から何でもよく見てますね。」

彼の緊張しいは昔から変わらない。

「まあ、頑張ってね。副隊長」
「頑張るのは俺だけじゃないでしょう」

まあね。

何処からか、涼しい風が入ってくる。気持ちいい。

風(wind)に乗って、高く高く上がっていこう。