【小説】魔女達の魔導書記録 (ページ2)

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【Episode 1】Announcement【フェイ】ページ2

ざわざわ、と騒めく会場。

その中には、緊張しているのか動きがぎこちない者も多数窺える。だが、反対に緊張のかけらも見られない者も少なからずいる。

ここは、魔法で出来た異空間。

隊発表の為だけに作成された特別な魔法異空間は、イギリス貴族の屋敷のようなレイアウトでとても華やかである。

真っ先に目に入るであろうものはシャンデリアである。所々に散りばめられた金の装飾と透明の宝石はろうそくの光を反射しキラキラと輝き、会場を照らしている。

青年、フェイ・ブルーフォードはその中にいた。

背筋をしゃんと伸ばし朗らかな笑みを浮かべて他の魔道士と会話をしている。

その姿を裏腹にフェイの内心は緊張で溢れんばかりであった。

話相手に気付かれない様に小さな溜め息のような深呼吸をし、緊張をほぐす。

その時、

「これより、隊の発表ともに、隊長の発表を行います。ステージの前にお集まりください。」

と言うアナウンスがかかり、それを聞いた魔道士達はぞろぞろとステージの方へ向かった。

「俺達も行きましょうか。」

そうフェイが言うと他の魔道士達も、「そうだね～」と相槌を打ちながらステージへと向かった。

ステージの上には、少し着飾った清楚な雰囲気を纏った女性が立っていた。女性の腕についている腕章から魔法省大臣の一人と言うことが窺える。

そして、騒めく会場は女性の、「静粛に」と言う一声によって静かになった。

女性は、音声魔法の様な術を唱えて話始めた。

「魔道士の皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。」

音声魔法の効果で声量はマイクを使ったかのように聞こえる。

「厳正なる審査の結果、隊、隊長、副隊長はこの様になりました。」

女性がそう言うと、
前に幻影の掲示板の様なものが現れた。

それと同時にまた会場は騒めきはじめた。

それをまた、「静粛に」と言う一声で収め次の指示をした。

「これより、隊別で相見えていただきます。

この機会に是非親睦を深めて今後の任務を円滑に進めてください。」

模範的な台詞を言ってから一礼をしてステージを降りていった。

(さて、移動しようか。)

そう思い、指定された場所へと移動をはじめた。

因みに俺は、1番隊の副隊長だった。

副隊長なんて大役は自分に務まるかわからないが、精一杯頑張ってみるつもりだ。

Announcement_発表