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私はなぜか目を離すことができなくて
しばらくボーっと見ていると
永瀬さんがこちらに向かって歩いてきた。
少し近付いた所で
不意に永瀬さんと目が合い
私に気付いた永瀬さんは
そのままフッと目をそらした。
私の横を無表情で通り過ぎていく永瀬さんに
ひどく心が締め付けられた。
静かに振り向いてもう一度永瀬さんを見ても
永瀬さんは振り返ることはなくてそのまままっすぐ教室に入っていく。
「A？どしたの行くよ」
前を歩いていたあかりに声をかけられ
泣きそうになるのを堪え、笑顔を作る。
また明日、って言ってきたのは永瀬さんなのに。
心の中で悪態をついてみても
これが現実なんだ、好きになっちゃいけないんだ
と、ブレーキをかけることができた。
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作者名：Ｓ | 作成日時：2018年9月3日 1時
