誰かさんの落し物（R.N） (ページ16)

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永瀬廉

永瀬廉小説

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永瀬廉彼女

永瀬廉インスタ

と、たくさんの永瀬廉という文字がでる。

恐る恐る一番上の永瀬廉をクリックすると

たくさんの画像がでてきた。

今の今まで、隣で運転していた永瀬さんの写真が。

なるほど、、ね。

一人暮らしをしてからまったくテレビを見なくなった私はなにも知らず

あー芸能人だったんだ

と、他人事のように思った。

「急にボーッとするやん、どしたん？(笑)」

「永瀬さん、、て、バイトとかしてるんですか？」

今日初めて質問をした私は、彼の名前を初めて呼んだ。

「あー、、バイトか(笑)うーんまあバイトて言うていいんか分からんけど、、てか永瀬さんてなんか違和感！廉にしてや！」

この反応で、彼は芸能人ということを隠していることは瞬時に理解できた。

ということは、触れない方がいい。

「え、、廉、、さん？」

「うーんなんか “さん”も変な感じやけどなあ、まあ永瀬さんよりはマシか」

芸能人と言っても普通の人。

少なくとも私の中では、私を助けてくれた恩人で１つ上の学校の先輩

というイメージしか持てなかった。

またしばらくドライブをして

日付けが変わる少し前に家に着いた。

「本当にありがとうございます」

シートベルトを外しながら言う私に

「もう大丈夫？」

と、また覗き込んで心配そうに言ってくる。

「もう大丈夫」

ニコリと微笑んでそう言うと、安心したように笑う彼。

「またな」

そのままの笑顔でまたポンポンと頭を撫でた。

「ありがとうございました、、」

とまたお礼を言って静かに車を降りる。

手を振りながら車が出発するのを見送り

車が見えなくなるまでボーッとその場に立っていた。

車が曲がり見えなくなると私もエレベーターの方に向かう。

エレベーターに乗りもたれながら

うるさすぎる心臓を落ち着かそうと必死だった。