45 ページ46
.
御幸
「おい、何があったんだ?」
「……別に何もないです」
俺の方を見もしないで、不自然に目を逸らす。
「何もなかったらケンカになんないだろ?」
「…………」
それでも何も言わないAに苛立ちを覚える。
何で何も言わねーんだよ、こいつ
何度問いかけても埒が開かず、ため息をついてAを置き去りにし部室へと向かった。
すると、部室の前には結菜が立っていて不機嫌そうな顔で俺を見つめる。
「何かきいた?」
「いや…何があったんだよ?」
よく見れば結菜の左頬も赤く腫れていて、激しいケンカだったのが窺える。
おいおい、女同士で殴り合いかよ
意外とAも大人しい顔してやるなー
「あの子ほんと意味わかんない。いきなり顔叩いてきたり、成宮君に好かれたり…ほんと頭にくる」
急に出てきた鳴の名前に顔が強張る。
「前から思ってたけど…鳴が好きなのか?」
「好きだよ?気づかなかったの?」
気づけば開き直る結菜の胸倉を思わず掴んでいて、殴りそうになってしまっていた。
それを見ていたノリや倉持が、俺の元に駆け寄って来て慌てて止める。
「これ、いらないから。他の子にあげれば?」
ずっと探していたネックレスを投げつけられた。
何でこいつが……
そんな事よりも、こいつの為に買ったプレゼントをこんな風にされるなんてな……
そのまま帰っていく結菜の背中を見ると、何故か笑うことしかできなくて。
悲しいのに笑いが止まらなかった。
.
87人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HIKARU(プロフ) - 蝶乱さん» コメントありがとうございます^^ 頑張ります!! (2020年3月5日 17時) (レス) id: e2128e8a6d (このIDを非表示/違反報告)
蝶乱(プロフ) - はじめまして!全然読みにくくなんてありません!むしろ面白くてめちゃくちゃ更新を楽しみにしおります!第2目も頑張ってください (2020年3月5日 12時) (レス) id: f2a4c0900f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月1日 13時