11 感覚。 ページ11
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鼓膜が、空気が、動く。
彼の発せられる音によって。
心の中にグサリと歌詞が突き刺さる。
それでいてフワフワと天井を駆け巡るような、不思議な感覚に陥る。
ゴクリと喉が鳴るのが分かった。
脳内に歌詞が駆け巡るのが分かった。
彼の歌は、言語化が難しい程響いてくる。
これを俺が歌うのかとなると、申し訳ない。
「……どうでしょうか」
白雪くんの歌はいつの間にか終わっていた。
二、三回瞬きをする。
「俺、これを歌うの……?」
「え?…す、すみません、可笑しいですよねごめんな」
「すっごく良い。すっごく良いから俺が歌って良いの?」
「……え?」
俺がそう言うと驚き、ピックを落とす。
しかし驚いたのは一瞬だけで、
「是非、歌って下さい。沢山歌ってください…!米津さんじゃないと駄目です」
と言った。
「曲の名前は?」
「ええっと、未だ決めてなくて…。」
「そっか。よし、よし!今度一緒に決めよう」
これは、やると言う意味で言ったのだが、どうやら伝わったようだ。
白雪くんは軽く微笑んだ。
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めろにー - 文章の感じ?が凄い好きです!更新頑張ってください! (2020年3月8日 1時) (レス) id: 322030aa25 (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 訂正させて頂きました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月11日 20時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 支度。の最後らへんの「世話しなく」が多分「忙しなく」だと思います。違うかったらごめんなさい (2019年11月11日 20時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
梟 - 黒井 屑さん» 「え、右利きって伏線あったっけ……」と1話から見直してしまいました… 小説のこともありがとうございます! (2019年10月23日 18時) (レス) id: 0632cd1f3c (このIDを非表示/違反報告)
黒井 屑(プロフ) - 梟さん» 楽しみにして頂いて有り難う御座います。失明はドキッとしますよね。米津さんの、キャラ崩壊が凄まじい小説ですがこれからも宜しくお願いします。(貴方の小説楽しみにしています…) (2019年10月22日 22時) (レス) id: 3248997e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井屑 | 作成日時:2019年8月4日 13時