お見舞いで３ ページ15
「そー言えば、白浜君やい」
朝日は口の横に手をそえて湊に声をかけた。
「何？」
「転校生ってどんな子だった？」
「「転校生？」」
朝日が言った言葉に私と阿紀さんは首を傾げた。
「なんで朝日が知ってるの？」
「うちらは何も知らないけど？」
「本当なら新学期に来るハズだったやつが、今週来たんだよ。だから他のクラスには今週にっていうのが伝わっていないらしい」
「なるほど・・・」
「で！どんな子？」
「男子だよ。まあ、普通だな」
「ほんとーに？」
「見た目はごく普通にいそうな感じ。まあ、ひとつ言うなら・・・」
湊は私たちから視線を反らして苦笑いしながら、
「なんでも出来るやつ」
「へえ〜。すごいんだね、その人」
「『秀才、あらわる！』的な？」
「どっからそんな台詞が出てくんだ」
私はずっと黙って聞いていた。
阿紀さんはすぐに馴染んでいたから、すごいなと思った。
「で、秀才君とは仲良くなった感じ？」
「えっ、まあ、席が隣になって、一緒に行動すること多いし」
「良かったじゃない？」
「全てが普通である白浜君にぴったりな引き立て役ですな」
「えっ！？」
「そう全てが！普通が君のニックネームにしてもいいくらいだからね！」
「はあ！？」
朝日は湊をからかう中、阿紀さんが私の方を見て、「そうなの？」と聞いてくるので、うなずいた。
「どこからどう見ても普通。例えるなら、漫画に出てくるモブキャラかな」
と、思ったままのことを言ってみると、湊の顔は凍んでいた。
「まあまあ、白浜君には誰にでも優しく接することに関しては一番だぞい？(*-ω-)」
「担任の先生からも評価高いんだよね？(；^∀^)」
「・・・ハゲマシニキコエナイノハナゼダロウ・・・(・‐・|||)」
そんな湊はお構いなしに、朝日は「そうだ！」と声をあげた。
「みんなにいいお知らせ！なんと！」
「なんと？」
「退院日が決まりましたー！」
朝日は一人拍手をしている。
「よかったね、朝日ちゃん」
「来たときのテンションが高かったのはそれか？」
「イェス！」
「いつ？」
「三週間後。すぐには学校に行けないけど、二、三日もすれば行っていいって」
朝日の喜ばしい報告に私も朝日と同じくらい嬉しくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春やよ(プロフ) - ながれさん» ありがとうございます！更新遅いですが、頑張ります！！ (2017年7月8日 22時) (
レス) id: 2de034be92 (このIDを非表示/違反報告)
ながれ - 台本書きじゃないって素晴らしい！面白いです。更新頑張ってください。 (2017年7月1日 14時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春やよ | 作成日時：2016年7月14日 1時
