昔の話 ページ12
「すげぇ‼」
「！？」
幼い男の子が幼い私に聞いてきた。
「これ、どうやってつくったの？」
トンネルが掘られた大きな砂の山。
私はただひとりでつくっていたのだ。
「お、おやまを・・・つくって・・・トンネル、つくって・・・」
「ぼくもやってみる！」
男の子はすぐに砂山を作って、トンネルを掘って行く。
けれど、
「よし、これでとーった！」
砂山は崩れ去った。
「「あ・・・」」
「ちぇっ。できるとおもったのに。すごいね、そんなにきれいにできるなんて」
「え・・・それは・・・その・・・──！」
「？」
私は男の子の顔を見て、つい吹き出してしまった。
「どしたの？」
「wwwかおwwwどろどろwww」
さっきトンネルを掘っていたせいか、男の子の顔は泥まみれだ。
「まじか！wwって、きみもふくがどろどろ！」
男の子は私の服を指差して言う。
「これはつちがかかった！きみがかけたの！」
「あ、それはごめん。あ！」
男の子は土で団子を作ると、
「ゆきじゃないけど、『どろがっせん』やろ！」
「え・・・いたっ」
「ほらほら、どろんこになるぞ！」
「──じゃあしかえしだ！」
私たちが『雪合戦』ならぬ『泥合戦』をやっていると、みんなが集まって、大合戦がはじまった。
幼稚園の先生は怒っているようだったけど、みんなは夢中だった。
彼も、私も。
「そーいえば、なまえ、なんていうの？」
「え・・・黒森、夕日・・・」
「夕日ちゃんか。ぼくは星海光。よろしく」
はじめてできた友達は、男の子だった。
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春やよ(プロフ) - ながれさん» ありがとうございます！更新遅いですが、頑張ります！！ (2017年7月8日 22時) (
レス) id: 2de034be92 (このIDを非表示/違反報告)
ながれ - 台本書きじゃないって素晴らしい！面白いです。更新頑張ってください。 (2017年7月1日 14時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春やよ | 作成日時：2016年7月14日 1時
