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ガンッ!
夕陽は中身の少ないカップをテーブルに叩き付けた。
紅茶が書類を汚しても気にしない。
夕陽の目は、怒りと後悔に染まっていた。
「・・・アメリア、行くぞ」
「えっ?ど、どこにですか?」
───決まってるだろう。
夕陽はとてもいい笑顔でこう言った。
「キリシュタリアとかいう馬鹿をぶっ潰す」
「早計です!!怒りに判断を任せないでください!」
予想はしていたが実際に言われて、アメリアは困惑する。
しかし、夕陽は何故か顔をキョトンとさせた。
「早計?んなわけあるか。言ったろ、ぶっ潰すって。
と言ったらやることは一つだろう」
「はい??正面突破ですか?」
アメリアの脳筋な考え方に、夕陽は溜め息を吐いた。
その態度にアメリアは慌てて考える。
「あっ、あっ!!カルデアと同盟ですか!?」
「おー、やれば出来るじゃねぇか。そうだ、同盟だ。
だけどカルデアがそう易々と頷く筈もない・・・」
「だから、こちらから迎えに行く・・・と?」
アメリアの言葉に、夕陽はニヤリと笑う。
元々、このゲームの勝敗は決まっていた。
ならばキリシュタリアという馬鹿の予測を、思いきり乱してやろう。
というのが、夕陽の算段だった。
「ま、
「えぇ・・・??
では、どうするのですか?」
「ま、お前らサーヴァントや民を生かす術はあるから気にするな」
気になるのですが!?というツッコミは置いておく。
聞いてもどうせ教えてくれないからだ。
「じゃ、オーサマ。報告ヨロシクね」
「結局、全部丸投げですか!!!」
その日の王がちょっと不機嫌だったのは、言うまでもない。
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作者名:ぶどうあめ。 | 作成日時:2019年4月14日 19時