【あんスタ】dilemma＿＿【悪女】

act.１７ ページ18

Aside

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なずな「え、でも、Aちん、」




戸惑うなずなくんに、きっぱりと告げる。


A『大丈夫…じゃないかもしれない…けど、聞かないと始まんないでしょ？』



覚悟を決めて、答えを待つと。



千秋「今日、瀬名に聞いたことなんだが」



今までじっと黙っていた千秋くんが、いつになく真剣な表情で語り始めた。
その様子を見て、なずなくんも静かに続く。



なずな「あのな、今日学校に行ったら…あんずちんと泉ちんが付き合いだした、とか変な噂が2年の間で広まってて」



薫「ただの噂にしてはたちが悪いと思ってせなっちに聞いてみたんだよ。そしたら＿」









『ああ、あれねぇ。あんず、もう広めちゃったんだ〜……本当だよ、付き合ってるっていうの』




『だってさぁ、正直言ってあんずの方がタイプなんだよねぇ？何かもう、Aには冷めたっていうか、』









薫「って、言ってた」







千秋「俺も聞いたぞ。あの時は高峯が止めたから殴らなかったが…本気で、瀬名には失望したな」





A『……そっか、そんな事言ってたんだ…泉……』







ポツリ、と小さく私の声が溢れる。

もっと、言うことも言いたいこともあったのに、今はそんなことしか言えなかった。









なずな「な、泣くなよ、Aちん……!!」



慌てるなずなくんの声がして、うさぎの刺繍がついた可愛らしいハンカチが差し出される。





A『……あ、ごめん、ね……ありが…と』



(泣いてるんだ、私……？)





頭が回らない。
なずなくんに言われてやっとボロボロと大粒の涙が頬を伝って服やベッドを濡らしているのが分かった。



ハンカチを受け取って、涙を拭くけど。
びしょびしょに濡れてくだけで、ちっとも止まってなんかくれない。






A『何で……なのかな？私、何かしたっけ…？全っ然分かんないよ……！』






濡れて使えなくなったなずなくんのハンカチの代わりに、薫くんが自分のハンカチで涙を拭いてくれた。


千秋くんは背中、なずなくんは頭をよしよししてくれている。




優しくされると、どんどん悲しくなってきて、止まらない。




(あんずちゃんが、わざと泉に手を出すわけないし。……て事は、泉から、って事になるよね…)





一体、いつから離れちゃったんだろう…




今は、何も考えたくなかった。

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