第７８振 貴方たちの想い←必ず助けてあげるから ページ34
Aside
ーー乱ちゃんと薬研くんが牢に居た。あの強い想いは、乱ちゃんだったのね。清光たちの刀に小宇宙を纏わせ、呪符を無効化する。パリンと良い音を立て、壊れた。…これで、出してあげられるわね。
A「これで、出してあげられますね。ばみくんとずおくんは、２人と折られた刀たちをお願いします。…行きましょうか、清光・安定」
薬研藤四郎「待ってくれ、荷葉のお嬢」
左手を捕まれ、痛みで眉間に皺が寄る。…バレてたのね。流石、薬研くん。服の袖を捲られ、腕に怪我をしているのを見られてしまった。
骨喰「その傷は…」
乱藤四郎「さっき、呪符の結界に触ったから…。僕がもう少し早く止めてたら…、ゴメンなさい!!」
A「なにを言っているの。貴方か止めてくれたから、この程度の怪我で済んだの。…ありがとう、乱藤四郎さん」
微笑み、お礼を伝えるとはにかんだ笑顔が返ってきた。
薬研藤四郎「悪いな、お嬢。こんな所でなきゃ、まともな手当てが出来るんだが…」
とは言うものの、手首から腕に向かって包帯が巻かれている。
A「ありがとう、薬研藤四郎さん。…お礼に、貴方たちを手当てしましょう。少し、じっとしていて下さいね」
２人に向かって手を翳し、小宇宙を流す。するとみるみるうちに、怪我が治っていく。
乱藤四郎「ありがとう、荷葉さん!!」
薬研藤四郎「これは凄い。…けど、此処では小宇宙をあまり使わない方が良い。お嬢の小宇宙が穢されてしまう」
加州「…確かに。此処は、空気の流れも悪すぎる。瘴気が濃いから、荷葉の身体に負担が掛かるかも」
淀んだ空気は、瘴気や邪気が原因だったのね。…ならば、振り払うのが得策かしら。
A「なら、瘴気の渦を払っちゃおう。まずは外に出てから、ね」
刀を抱え、外に出る。…牢もそうだが、来た時から酷い有り様だった。小宇宙を燃やし、解き放つ。すると、辺り一面綺麗になっていく。
A「…はぁ…はぁ…はぁ…」
小宇宙を少し使いすぎ、目眩がしてフラついた所を、伽羅さんに抱き止められた。
伽羅「無理をし過ぎだ…」
お供「荷葉様、やりすぎでございます!!」
鳴狐「無茶は程々に…」
２人と１匹に、嗜められてしまった。
A「無理でも無茶でも、関係ありません。あの子の家族を、取り戻す為ですもの。このくらいは、覚悟していました」
私はまだ、倒れる訳にはいかないの。女審神者の所に、乗り込むまでは…。
第７９振 折られた刀←私は…もう見たくなかったのに→←第７７振 家族を助けて!!←助けに来てくれたのは女神様(乱藤四郎side)
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作者名：葦原 さくら | 作成日時：2018年4月13日 9時
