第６９振 天国←もうね、此処から出たくない ページ25
Aside
ーー白檀くんから引き離して貰い、粟田口のお部屋にやって来たと。着物では寝れないから、パジャマですよ。短パンにキャミソール、薄手のパーカー。皆で雑魚寝するんだってさ。…一期さんのお隣にお邪魔しちゃった。
A「皆、さっきまで騒いでたけど、寝顔は可愛いね。…一期さんからしたら、皆自慢の弟たちだもんね」
一期「そうですね。私の自慢の弟たちです」
笑顔でそう言った、一期さん。わかるよ。可愛い弟たちだもんね。天使だもんね。
お供「私めもそろそろ、休ませて頂きます。お休みなさいませ、荷葉様」
鳴狐「…おやすみ…」
A「お休みなさい、鳴狐さん。狐ちゃん」
２人が眠ったのを見届け、一期さんと小さな声で話す。
A「ゴメンなさい、一期さん。家族で楽しく過ごしているのに、私がお邪魔しちゃって」
一期さんは私の言葉に首を振る。
一期「構いません。弟たちも喜んでおりましたし。なにより、私も楽しいですから」
そう言ってくれる一期さんは、優しく笑ってくれた。皆を起こすといけないからと、まだ目が冴えてる私たちはそっと部屋から出た。雲１つない夜空は、星が瞬いていてとても綺麗。空気も澄んでいる。２人で縁側に座り、他愛ない話で盛り上がる。
A「一期さんは、弟想いの良いお兄さんね。私には兄弟は居ないから、少し羨ましい。皆、一期さんが大好きなんだなって、肌で感じるもの」
あっ、まだ話すかな。お茶を淹れてこよう。
A「一期さん、お茶飲む??私淹れてくるけど」
一期「お供致します」
A「ありがとう。じゃあ、行こうか」
一期さんの手を引き、厨に向かう。一期さんは少し慌てたものの、私に手を引かれながら歩いてくれた。良い人だ、彼は本当に。
A「私はホットミルクにしようかな。一期さんは、なにが良い??」
一期「荷葉殿と同じもので構いません」
２つホットミルクを作り、中にミルクチョコレートを入れた。
A「皆には内緒ね??」
一期「はい。…これは、包丁が喜びそうですな」
確かに、包丁くんが好きそうだ。甘いもの、と言うかお菓子が好きなんだもんね。後、人妻。魂だけは人妻だけど、身体はそうじゃないから、ちょっとややこしい。
A「あまり夜更かしすると、明日頑張れないから。そろそろ寝ようか。一期さん、カップ私が洗うから」
一期「ありがとうございます」
また手を繋いで部屋に戻る。薬研くんだけ起きてたみたいで、苦笑されちゃった。
第７０振 地獄←突き落とされた気分→←第６８振 一難去ってまた一難←ベタベタしすぎです(一期side)
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作者名：葦原 さくら | 作成日時：2018年4月13日 9時
