第５９振 嬉しそうな顔と聞きたくない事実←来るのか…(三日月side) ページ15
三日月side
ーー俺に抱き締められて、嬉しそうな顔をしているA。…そのような顔を見せるな。そのような顔を見ると、堪らない。他の者に見せたくない。俺は…独占欲と言うものが強いのか??
A「三日月さん…??」
どうしました??と首を傾げながら問うてくるA。鶯丸は気を利かせてくれたのか、いつの間にか居なかった。
A「…三日月さん、そろそろ料理のお手伝いに行かなきゃいけないの。…離して??」
三日月「仕方あるまい。…A、今日は俺と食べてくれぬか??」
喜んで。それだけ言うと、厨に向かって歩いていった。可愛らしい女子だ。…さて、長谷部がなにやら書類を見付けたと言っていたな。居間に向かうと、歌仙と燭台切が居ないだけで他の者は揃っていた。
長谷部「揃ったみたいだな。政府から、１枚の書類が届いた。…これなんだが」
手渡された書類に目を通す。…なんだ、この内容は。隣に居た小狐丸に渡すと、眉間に皺が寄る。
小狐丸「近々、そちらの本丸に見習いが伺います。２週間の研修の後、本丸を持つ事になるので、それまでの間ご指導の程、宜しくお願い致します。…戯れ言を」
物吉「…そう言えば、最近乗っ取り被害が相次いでいると聞きました。荷葉さんは、大丈夫でしょうか??」
確かに、俺もその話を聞いた事がある。前の審神者からこの本丸と…我等をを救ってくれた。ブラック本丸と呼ばれていたこの本丸を、ホワイト本丸に変えたのは紛れもなくAだ。乗っ取り等、させてなるものか。
鶴丸「…三日月、この事を荷葉には…」
三日月「いつ来るともわからぬ見習いだが、審神者である荷葉が知らぬのは目立つだろう。乗っ取りの事は言わず、来る事だけを伝える。加州、頼まれてくれぬか??」
加州「任せてよ」
他はどうしたものか…。呪具等も警戒しなければなるまい。見習いが男か女かもわからぬからな。
乱「見習いなんて、来なければ良いのに」
それは、この場に居る誰もが思っているだろう。Aの笑顔が、曇る事になりかねないのだから。
一期「三日月殿、守りましょう。荷葉殿の、優しい笑顔を」
三日月「あぁ。皆も、それで良いな??」
反論する者は居ない。居る筈がない。皆、Aが好きなのだから。
A「皆、ご飯出来たから食べましょう??」
料理を運んで来たAの姿に皆驚いてたが、何事もなかったかのように、食事の準備をする。…なにに換えても、守ってみせる。Aの笑顔だけは…。
第６０振 見習いが来るそうで←研修??意味ないよね??→←第５８振 ２度目の捕縛←お茶してたら捕まった
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作者名：葦原 さくら | 作成日時：2018年4月13日 9時
