青×赤 ページ5
赤side
さっきからずっとそわそわしてる流星。
何回もスマホを開いては閉じてを繰り返して、何回もソファから立ち上がって部屋の中をうろうろしてる。
動いてないと落ち着かない、そんな感じ。
何があるんやろう?
表情も暗くはないし、悪いことでは無さそう。
流星を観察してるの、案外おもろいかも。
またソファから立ち上がって水を飲みに行って戻ってきて立ったままスマホを開く流星。
そんな流星をじっと観察してると、スマホを見てた流星の目が大きく開かれた。
お?なんかあったんか?
何かいいことあった?って聞こうとした瞬間、流星が倒れるようにソファに沈んだ。
どうやら、いいことじゃないっぽい。
赤「…流星?」
そう名前を呼んでも、何も返ってこない。
ふわふわな前髪が邪魔して目元が見えへんから表情がイマイチ分からへんねんなぁ。
赤「どうしたん?なんかあった?って、え、」
流星の傍によって顔を覗き込めば、ぽろりと涙が頬を伝った。
1粒、また1粒、ぽろんぽろんと涙を零す流星。
赤「わ、どうしたん、流星?」
何も言わず、スマホを差し出してくるからそれを受け取って画面を見る。
スマホの画面には、落選、の文字。
なるほど、そういうことか。
どうやら流星の好きなアーティストさんのLIVEのチケットが当たらんかったらしい。
ほんっまに好きって言うてたし、辛いやろうなぁ。
赤「流星、元気出し?また次があるやん。」
青「むり、もう生きていかれへん、」
赤「そんなこと言わんといてやぁ。大丈夫やって。」
流星のスマホの画面をもう1回よく見せてもらう。
申し込んだチケットは2枚。あれ、流星ひとりで行くんじゃないんや。
赤「流星、これチケット2枚ってなってるけど、誰かと一緒に行く予定やったん?」
青「…だいきを誘うつもりやった、」
赤「え、」
青「いつもデート、ほとんどだいきが考えてくれるから、俺もたまにはかっこいいこと、したがっだのに、ぐす、」
ぼろぼろ泣き出してしまった流星と、どうしたらいいか分からんくてあわあわする俺。
流星が泣くのは珍しいし俺も人付き合いはあんまり得意じゃないからどうしたらいいか分からへん。
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作者名:なか | 作成日時:2023年4月1日 22時